巨椋修(おぐらおさむ)の新世界

作家・漫画家 巨椋修(おぐらおさむ)のブログ。連絡先は osaogu@yahoo.co.jp

リオ五輪陸上リレー銀メダルはペリー来航以来の快挙だ!


 いまから163年前、ペリー提督率いるアメリカの軍艦が日本にやってきた。はじめてペリーたちアメリカ人を見た日本人たちは度肝をぬかれた。


 なんといっても当時の日本人男性の平均身長は155?程度。対するペリーは190?を超す大男だったのだ。


 そして武力によって無理やり開国させられることになる。


 以来、日本人はアメリカ人やアメリカ国に対して、肉体的にも知性的にも劣等感をいだき続けた。


 明治初期に「日本人は漢字なんぞを使っているからダメなのだ。これからは漢字やひらがなカタカナを捨てて、文字はアルファベットにしなくてはならぬ」などと大真面目に語る政治家がいたくらいである。


 劣等感が強い人間というのは、他に自分より下の誰かを探し出し、勝てない相手に媚びへつらい、勝てそうな相手には、相手を笑いものにしたりするものだが、欧米に勝てないと思った日本は、中国や韓国を見下しバカにするようになる。これはいまでもネトウヨとかいう人種が悪しき日本人の伝統を守っているといっていい。


 さらに太平洋戦争で完膚なきまでにアメリカに負けた日本は、これまで以上に劣等感を持ち、自らの文化を否定したりするようになる。戦後、「日本人はお米なんてものを食べているからバカなのだ。これからは欧米のようにパンを食べなければならない」と、大真面目で語る学者いたぐらいである。



 肉体的な劣等感もすさまじく、おそらく20世紀の日本人は、「日本人は肉体的に劣るから白人や黒人に、陸上競技短距離走のように筋力がものをいう競技に勝てるわけがない」と、ほぼ全員が思っていたのではないだろうか?


 それが21世紀になると、北京オリンピックで男子リレーで銅メダル。ロンドンオリンピックで4位、リオではアメリカを下して銀メダルとなった。


 レース直後、1位はジャマイカ、2位日本、3位アメリカ、4位カナダであった。


 この時点で、日本はアメリカに勝っていたのだ。そしてその後バトンミスでアメリカは失格になる。


 ジャマイカには負けたものの、対アメリカでは堂々の勝利であった。


 走るというスポーツの基本的運動の銀メダルで、日本人はもっと肉体的自信を取り戻してもいいのではないだろうか?


 そして日本人が100メートル9秒台で走る日も遠くはあるまい。




巨椋修(おぐらおさむ)