巨椋修(おぐらおさむ)の新世界

作家・漫画家 巨椋修(おぐらおさむ)のブログ。連絡先は osaogu@yahoo.co.jp

小説

曳き家体験記2 荷下ろし地獄変

●酷暑のなか、曳家道具をトラックから降ろす7月16日、その日の早朝、私は首都圏のある駅にいた。本日、高知県からトラック2台で送られてくる大量の曳家道具を荷下ろしをするのだ。 やはり手伝いに来てくれていたスーツアクターのフジモトさんと一緒に、迎え…

曳き家体験記1 きっかけ

曳家(ひきや)という職業をご存じであろうか? 西国では「家曳き」というらしい。 一軒の家を壊さずに移動させたり、傾いた家を正常直したりする職業であるらしい。 最近、メディアで注目されている、とある曳家さんがいる。 岡本直也さんという人だ。 岡本…

すべての物には魂が……

よい子のみなさんごんぬずば。 今世紀最大の霊能者といわれている巨椋です。 みなさんは、この世に存在するすべての物に魂が宿っているということをご存知でしょうか? 特に古くなったものや、長く使っているものは、魂が主張したりします。 例えば、有名な…

ぜつめつしたいきものたち

この地球には、かつて繁栄し絶滅してしまった生き物が多くいる。この日本にも近世まで棲息していたが、いまではもう姿が見られなくなった生き物がいたので、本日はよい子のみんなに紹介しよう。 ●公家昔、京都府あたりに棲息していたが、普段から歌ったり舞…

ある友人へのお礼

友人の某くんが、こんなメールを送ってくれました。 「【巨椋修の結果オーライ】、とっても面白いです。そのうち本にしたくなっちゃいますね(笑)」 ありがとう!ぼくはあまり誉められたことがないので、うれしいよ!そしてまさか、某くんに誉められるなん…

一歩前にといいながら背中を押してあげたい!

ぼくは友だちが人生の崖っぷちに立っていたら、そっと後ろから近づいて「元気出せよ、さあ勇気をもって一歩前に!」といいながら、背中をポンと押してあげようと思っている。けけけけ。 巨椋修(おぐらおさむ) このたび『巨椋修(おぐらおさむ)いじめ、引…

化け物屋敷物語 最終日4 そしてぼくらの70日間戦争は終わった

最終日、「やながもんナイト2」というライブが終わると、打ち上げとなった。 事務局長のムトーさんがお寿司の出前をとってくださり、みんな飲みに飲んだ。 もはや言語道断歩行者横断、奇妙キテレツ奇奇怪怪の大騒ぎである! しかしはしゃぎすぎて、立たされ…

化け物屋敷物語 最終日3 そしてみんな泣いた!

最終日、ヨシムラさんや山口敏太郎さんはお化け屋敷2階にある劇場でライブやトークショーをやっていた。 ヨシムラさんがスタッフは全員、2階に上がってきて一緒にライブの時間を共有しようということだったんだけど、遅れてくる人もいれば途中で帰る人もいる…

化け物屋敷物語 最終日2

最終日、お化け屋敷に来たお客さまはラッキーだったかも知れない。 なんといっても、その日、10名近いお化け役が結集したからだ。 つまりお化け屋敷内で、お客さまを10名くらいの化け物どもが脅かし取り囲むのである。 もちろん、わたくしも化け物として参加…

化け物屋敷物語 最終日1 

お化け屋敷の最後の週、ぼくはみんなにいった。「今週でお化け屋敷は終わりだからさ、みんな最高のパフォーマンスをみせてくれ! 最終日に9月23日はもうお祭りになっちゃうから、その前日がみんなの千秋楽だ!」 そして最終日がきた。 お化け屋敷に出勤した…

化け物屋敷物語 まかない天国

どうもこんにちわ。さすらいの美食家、ビーフストロガノフ巨椋です。 こう見えてわたくしはこれまで『テーブルマナーの基本』 (※これは一流のホテルマン教育研修のためのいわば教科書なのだ) 『まんがコンビニクッキング』 (※これは貧乏な君たちのような…

化け物屋敷物語 イベント

岐阜柳ヶ瀬のお化け屋敷「恐怖の細道」では、頻繁にイベントをやった。 お化け屋敷自体がイベントなのだが、さらに我々は路上ライブ、プロレス、トークショー、菓子撒きなどなどを行ったのだ。 イベント中、お化け屋敷をクローズしたり、スタッフがそちらに…

化け物屋敷物語 お化け屋敷にきた人々

お化け屋敷「恐怖の細道」は、ぼくが最初に来た頃は来客数1日140人程度だった。 それが200人、300人と徐々に増えだしていったんだね。 ある日、その日お休みしていたスタッフから「今日は何人でした?」というメールがきて「祝! 今日は新記録! 230人超えた…

化け物屋敷物語 ぼくたちが体験した怪奇現象3

お化け屋敷のミステリースポットに立っているマネキンくんには、ほんと往生こいたわ。 そもそもコイツ! こいつは、なぜかいつも上着が脱げやがるのだよ。 で、他のスタッフもコイツの近くにあまり寄りたくないもんだから 「屋敷長! またマネキンの服が脱げ…

化け物屋敷物語 ぼくたちが体験した怪奇現象2

そう、このお化け屋敷にはもう一箇所ミステリースポットがあった。 それはここである。 お化け屋敷の設定では、現代から昭和、昭和から戦中へとタイプスリップしていくというもの。この通りは、昭和後期から昭和前期、つまり戦時中に渡る道なのだが、その道…

化け物屋敷物語 ぼくたちが体験した怪奇現象

みなさんは超常現象を信じているだろうか? ちなみにぼくの周囲の人は巨椋修(おぐらおさむ)は超常現象否定派と思っているみたいだが、決してそんなことはない。 ただ、何でもかんでも鵜呑みにする気はない。 むしろ超常現象は疑ってかかるのが正しい。 そ…

化け物屋敷物語 お化けたちはケガとも戦っていた

お化け屋敷の中は暗い。 お化け屋敷のバックヤードや通路はもっと狭くて暗い。 その中をお化けたちは全速力で疾走した。 ぼくがお化け屋敷に入ったのは開店3日後だが、すでに彼ら彼女たちは、疲労困憊していた。 それでも彼ら彼女たちは疾走し続けた。 最初…

化け物屋敷物語 彼らは暗闇の中を疾走した

おそらく我々が働いていたお化け屋敷ほど、お化けたちの運動量が多く、そして激しいお化け屋敷は世界のどこを探してもないに違いない。 それほどうちのお化けたちはお化け屋敷内の暗闇を走りに走った! 理由はカンタンだ。うちのお化け屋敷では、お化け役は…

化け物屋敷物語 お化け屋敷の中は地獄だった!

ふと思いだしてみる。 約70日間のお化け屋敷は楽しかったんだろうかと…… 実はすごく楽しかったのだ。おそらくこれまでなかったくらいに楽しかったのだ。 それなのに、いま思い出してみると、楽しかったのは1割か2割程度、「困ったな〜、どうしようかな〜」と…

シタ切りスズメ

昔ばなしに「舌きりスズメ」というお話しがある。 おじいさんがスズメを可愛がっていると、おばあさんが嫉妬して、スズメの舌を切ってしまうという話しである。 居なくなってしまったスズメをおじいさんが、山奥に探しに行くと、スズメのお宿があって、おじ…

関西弁国際侵略会議

ども、『関西弁国際侵略会議』通称、【KKSK】のエージェント、巨椋修(おぐらおさむ)でんがな。 もちろん、殺しのナンバーは持ってまんがな。 我々、のライバルとしては『九州言葉協議会』【KKK】がありまんがな。 【KKK】のエージェントを見分けるコツは、…

地獄に住んでいたときの思い出

ここだけの話しですが、ぼくは昔、地獄に住んでたことがあるんですよ。 地獄っていっても、この世とあまり変わらないんです。 ちょっと違うなあってところは、警察官が虎柄のパンツをはいているくらいでしょうかね。 婦人警官なんて、ラムちゃんの格好ですか…

女王様は裸じゃないじゃないか!

ここだけの話しなんですけど、ぼくは嘘がつけない男なんです。 子どもの頃なんですが、ぼくの住んでいた国には、美しい女王様がいたんです。 噂では、頭が悪い人には見えない布でできた服を着ているといいます。 みんなから頭が悪いと言われていたぼくは、ド…

一休さんとアダムとイブの思い出

そうそう、ぼくがかつて『宇宙人に連れ去られたことがある』というのを知っている人もいますよね? あのときはつらかったなあ。 あと、ちょっと昔の話になるんですけど、 「このはしわたるべからず」 と書かれた橋がありまして、近所にこしゃまっくれた、小…

最後の寿司

ある日、友人が言うのです。 「オレもう生きているのがヤんなっちゃったんだ。だから死のうと思っているんだけど、死ぬ前に好きな寿司を食べてから死にたいんだ。どこかいい寿司屋を知らないか?」 まあ、ぼくも“食神”と言われたほどの美食家ですから、美味…

ぼくが怪獣保護管理局にいた頃

ぼくは以前『絶滅危惧種 怪獣保護管理局』のエージェントをやっていたことがあります。 ご存知のように地球には、絶滅を危惧されている希少怪獣というのがいて、これを保護するのが、ぼくの仕事でした。 怪獣のほとんどは、人里離れたところに棲息しているの…

自殺専門病院

20××年、安楽死を認める法案が与野党一致のもと認可されましたよね。 この法案の裏には、毎年数万人が自殺するという現実に対するためのものでした。 1998年を以降急増した自殺者数は年間3万人を超え、それ以降3万人を超え続けている野に対して、交通事故者…

ヒーローになった日

中学時代、もの凄く嫌われ者の先生がいたんだ。 体罰なんて当たり前で、殴られて鼓膜を破られたり、歯を折った生徒もいた。女生徒なんかも何人か犯されて中絶した子もいるみたい。 いよいよガマンできなくなって、オレ一度教室の中で 「あのクソ教師! 殺し…

全国善人協会

実をいうと、わたしは『全国善人協会』というNPO団体の理事をしています。 『全国善人協会』というのは、読んで字のごとく、全国の善男善女が集い善いことをするという団体です。 どのようなことをやっているかというと ●重い荷物をもっているお婆さんの荷物…

木製バットはプロの証し

高校球児たちは、金属バットを振ってがんばっている。 オレが、野球をやりもしないのにバットを振っていた頃の話をしよう。 友人がいった。 「お前のバットはなんでいつも木製バットなんだよ?」 オレは答えた。 「プロは木製だ」 子どもが父親を金属バット…