巨椋修(おぐらおさむ)の新世界

作家・漫画家 巨椋修(おぐらおさむ)のブログ。連絡先は osaogu@yahoo.co.jp

昭和時代の競争勝利主義では幸せになれない

昭和という時代が、30年あった平成という時代を挟んで、ようやく終わりつつあるようだ。

 

とはいえ昭和時代は、大きく【戦前】【戦中】【戦後】に分けられる。

 

令和時代である現代の感覚では、昭和とは戦後の高度成長期というイメージが強い人が多いかと想像するが、戦前や戦中の昭和も忘れてはならない。

 

 

 

そして令和の感覚では、ちょっと信じがたいかもしれないが、戦前・戦中の日本は、歴史上日本人がもっともグローバルだった時代と言えなくもない。

 

 

 

ただしそれは血を血で洗う戦争の時代だったのだが・・・

 

 

 

最初は旧日本帝国による、朝鮮半島や中国大陸、東南アジアなどへの出兵であったかもしれない。

 

出兵であるからには、自ら望んでのグローバリズムとはなく、一人一人の兵士にとっては、強制的な出国であっただろう。

 

しかしすぐに民間人も海外に夢を見て、各地に飛び出して行き、日本人街などを作っていった。

 

この絵は昭和10年『小学六年生』の付録のすごろくであるそうな。

 

 

昭和10年 皇国日本海外雄飛双六 井上たけし画「小学六年生」附録 小学館 

 

ここに『海外日本人分布図』とありあらに「諸子よ大いに海外に雄飛せよ‼」と書かれている。

 

 

しかしその海外雄飛の夢は、数百万人の犠牲者を出して敗れてしまう。

 

 

 

次に日本人は、国家間の戦争に敗れたものの、国家の代わりに会社に忠誠を尽くし、命がけで金儲けに邁進した。

 

 

 

結果、日本のGNPは、1966年にフランス、1967年にイギリスを抜き、1968年についにアメリカに次ぐ世界2位の経済大国になった。

 

 

 

しかしだ。

 

 

 

我々はそろそろ気が付いてもいいはずだ。領土を求めて大陸や東南アジアに進出しても、世界第2位の経済大国になっても、大して金持ちにも幸せにもなれなかったことを。

 

 

 

少なくとも、戦争で勝つことや経済大国になること=幸せではないのだ。どうやらそれをまだ昭和時代に洗脳を受けた人たちは、理解できないらしい。

 

 

 

いまでも60代、70代の昭和頭脳の人たちは、「競争に勝たないと幸せになれない」と思い込んでいるらしい。

 

 

金メダルを取れるのはたった一人だとわかっているにもかかわらず・・・