巨椋修(おぐらおさむ)の新世界

作家・漫画家 巨椋修(おぐらおさむ)のブログ。連絡先は osaogu@yahoo.co.jp

いつまで日本はアメリカの属国のままでいるつもりなのか


●戦後大物政治家の二つの流れ

A群: 石橋湛山鳩山一郎重光葵田中角栄金丸信加藤紘一鈴木宗男小沢一郎鳩山由紀夫


B群: 吉田茂佐藤栄作中曽根康弘小泉純一郎安倍晋三


 この大物政治家たちのA群とB群の違いがお分かりだろうか? A群は何らかの問題で総理大臣職や政治家生命を断たれたグループ、B群は総理大臣になり、長期政権を成したグループと思われるかもしれない。


 あるいはA群はリベラル(革新)、B群は保守と思われるかもしれない。


 しかしさにあらず。


 A群は、アメリカに対立したり、あるいは日本をアメリカの属国から立ち直そうとしたり、あるいはソビエトや中国と国交を結んだりしたために政治家として第一線を引いた人たちである。


 例えば


・石橋端座位。GHQすなわちアメリ進駐軍への贅沢品といった貢ぎ物が、国家予算の3分の一もあったのを削ったため、GHQの圧力で公職追放になってしまった。


鳩山一郎ソ連との国交回復、田中角栄は中国との国交正常化、金丸信北朝鮮金日成と対談(ちなみに金日成は日本語で金丸信と対談したという)。


加藤紘一は親中・親北政治家であり、鈴木宗男ソ連・ロシアと親密な交流があった。


小沢一郎鳩山由紀夫とともに『東アジア共同体』を作ろうとしていた。


鳩山由紀夫は米誌『タイム』が「世界で最も影響力のある100人」リーダー部門で鳩山を6位に選ばれるほどの認められた政治家であったが、総理時代に沖縄基地問題アメリカと対立。とアメリカのご機嫌をそこなうことをした。




 つまり、A群の政治家たちは、総理か総理候補ではあったが、日本がアジアと手を結ぼうとしたり、アメリカからの独立を企んだり、アメリカの気に入らないことをやろうとして潰された政治家たちなのだ。



 それも、スキャンダルなどで潰されたため、いまだに日本人は彼らを誤解してただの無能政治家か悪徳政治家だと思い込まされている。




 いっぽうB群は、親米派の総理大臣たちで、そろって長期政権を保った人たちなのだ。どちらいいという問題ではない。ただ・・・ これが事実である。


 なぜ親米派の総理はそろって長期政権で、親アジア派やアメリカからの自立路線を計ろうとした総理や総理候補の政治家は【どういうわけか】必ずスキャンダルに見舞われ、その地位から下ろされるのか? 


 それは考えるまでもない。映画【シン・ゴジラ】で、再三「アメリカからの圧力」というシーンがあったが、実際の日本政治において、アメリカからの圧力がありいまだに日本はアメリカの敗戦国であり、属国であるからだ。


 そして対米従属と対米自立の大物政治家がいて、対米自立を考える政治家は潰されてきたのが戦後の日本政治史の一面である。







●戦後の日本の奇跡

 しかし・・・だ。戦後の日本は敗戦という悲劇があったが、ある意味奇跡的にツイていた。


 終戦直後、上野駅などでは毎日60人ほどの餓死者がでるほど困窮していたが、アメリカが日本をアメリカナイズさせようと、『小麦戦略』を考えた。たまたま豊作だったアメリカの小麦を日本に「食糧援助」として輸出して、日本人を「アメリカ大好き国民」に洗脳しようという作戦である。


 そのアメリカの作戦は当たった。日本人の多くは「日本人は劣った民族、アメリカ人のようになるにはパンや牛乳を食べなきゃ」となった。しかお食料援助だからほぼ【タダ】!! 実はコレって戦後にはじまったことではなく、明治維新後の日本でも「日本人は劣った民族、漢字は廃止してローマ字にしましょう」といった政治家が出てきたㇼした歴史があるので、ペリー来航から日本人のアメリカコンプレックスは相当なものなのかも知れない。



(確かにペリー来航は日本の歴史を変えた。それ以前にロシアと北海道で戦闘状態になったこともあるが、ペリーほどの影響はなかった。日米は特別なそして宿命的な関係なのであろうか?)


 ともあれおかげで餓死者は激減。さらに朝鮮民族にはお気の毒だが、そのあと朝鮮戦争が起ったおかげで、日本は軍需景気。とにかくネジでも衣服でも何かを作ったらアメリカさんが買ってくれるという大景気。そこから高度成長期がやってくる。


 朝鮮戦争が終わったらしばらくしてベトナム戦争が起ってこれも日本の経済成長を促進してくれた。


 しかもアメリカが作った【憲法9条】のおかげで、日本は朝鮮戦争にもベトナム戦争にも出兵せずに済んだ。


 ってことで、80年代後半には日本は世界で2位の経済大国に成りあがるのでした。


 40年代〜70年代、日本人の多くは戦争反対といいながら、その実質、戦争で大儲けをして豊かな日本を作ってきたのである。


 戦後、日本に富をもたらしてきたのはアメリカであった。


 それは、朝鮮やベトナムといった近隣国家がアメリカと戦争をしたことによる富であった。


 それは事実であろう。


 戦後の日本は、皮肉なことに負けたはずのアメリカのおかげで奇跡の成長をした。これからはどうなるのであろう? 


 アメリカと対立することはないが、かといっていままでのような隷属国家でいいのだろうか?


 これからの日本人はどう考えるべきなのであろうか?



 巨椋修(おぐらおさむ)拝


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●巨椋修(おぐらおさむ)の著書



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巨椋修(おぐらおさむ)は陽明門護身拳法という護身術&総合格闘技の師範をやっています。

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