巨椋修(おぐらおさむ)の新世界

作家・漫画家 巨椋修(おぐらおさむ)のブログ。連絡先は osaogu@yahoo.co.jp

大東亜戦争は本当に軍部やマスコミ“だけ”の責任か?

本日、2016年2月26日は、2・26事件から80周年となります。


2・26事件とは、1936年(昭和11年)2月26日早朝、陸軍の青年将校たちに率いられた約1500人の反乱部隊が首相官邸などを襲撃し、高橋是清蔵相、斎藤実内大臣ら9人が殺害されたクーデター事件でありテロと言ってもいい事件です。


大変な事件であるにもかかわらず、事件当時から国民は同情的に見ていて減刑嘆願なども多くあったといいます。


その後日本は太平洋戦争に突入しますが、それには2・26事件の影響が多分にあったといいます。


大東亜戦争敗戦後、日本の国民は「あの戦争は軍部が暴走で国民に責任はない」といってきました。


あるいは「軍部におもねり国民を煽ったマスコミにある」という人もいます。


私はちょっと違うのではないかと思っています。


もちろん、政府にも軍部にもマスコミにも責任はあるでしょう。


でも同時に国民にもあると思うのです。


例えば、マスコミです。いま何かと言われている朝日新聞ですが、元々朝日新聞は戦争に反対の立場であったといいます。


下の画像はフジテレビの『池上彰緊急スペシャル!! なぜ世界から戦争がなくならないのか』からの引用です。

1931年8月8日の大阪朝日新聞満州に進出しようとする軍部を批判して次のような記事を書いています。


「少なくとも国民が納得するような戦争の脅威がどこからも迫っているわけではないのに、軍部はいまにも戦争がはじまるかのような必要を越えた宣伝に努めている。」


ところが・・・、そのような記事を書いていると「朝日は反日的な売国的な新聞だ!」と国民から言われるようになり、不買運動が起きたりしてどんどんと新聞が売れなくなっていったといいます。


そして2か月後・・・


「満蒙の独立成功せば極東平和の新保障 満州に独立国の生れいずることについて歓迎こそすれ反対すべき理由はない」


と、正反対の意見に編集方針や論調が一変します。理由はもちろん売り上げが落ちたから。つまり国民が戦争に反対する新聞や求めなかったということです。


もっといえば国民が軍部を、戦争を後押ししていたということでしょう。


そういった意味で、私は日本国民にも戦争を起こした責任があると考えています。


そして二度と戦争を起こさないためには、どのような方法があるのかを、いま一度真剣に考えなければならないと思っています。



巨椋修(おぐらおさむ)