●そもそも憲法ってなに?
2019年現在、安倍総理は憲法を改正したくて仕方ないですね。で、安倍総理や現政権与党である自民党に反対している現野党の皆さんはこぞって憲法を変えることに反対であるようです。
そもそも憲法って何かというと、「権力者を縛るルール」なんです。だからこそ「最高法規」。
権力者というと、天皇、政治家、公務員のこと。これら権力者を日本国憲法は、権力をもつ人たちが暴走しないように、歯止めをかけるためにあるとされているのです。天皇すら憲法には逆らえないとされているんですね。
憲法99条にこう書いてある。
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第99条(憲法尊重擁護義務)
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天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ。
(http://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_annai.nsf/html/statics/shiryo/dl-constitution.htm#10sho)
公権力のある人は「憲法を尊重し擁護する義務」とは、憲法を守らなければならないという意味ですね。
●国民は憲法を守らなくてもいい?
じゃあ公権力者ではないその他国民は憲法を守らなくてもいいの?って話しが出てきますよね。
これは憲法学者でも諸説あるみたいだけど、憲法には「憲法を尊重し用語する義務」の中に国民は入っていないのだから、守る必要はないと言っていいでしょう。
ただし、国民が守るべきルールはちゃんとあって、それが「法律」。
国民は憲法は守らなくてもいいけど、法律は守らないといけないわけです。
●日本人にとって憲法とは?
そんな「最高法規」である憲法だけど、日本人はかなりいい加減に解釈してる。
まず、さっき言ったみたいに憲法って権力者が国民に「憲法を守りなさいよ」って下しおかれたものだと思ってる。
そもそも、日本国憲法の前に、明治時代にできた「大日本帝国憲法」なんて、明治維新になって、ときの権力者たちが、「日本に憲法がないと、欧米列強に三流国ってバカにされる」なんて思って、ドイツの憲法を丸写し気味にモデルにして大慌てで作ったもの。
相談されたドイツ人が「憲法は国家の根幹になるもんだから、もっとちゃんと考えないと・・・」って言っても、時の権力者たちは「いいんだ。とにかく憲法ってもんがあればいいんだ。それで日本は憲法がない国とバカにされることがなくなるから」って感じで作っちゃったくらい。
つまり日本人にとって、憲法って自分たちで苦心惨憺して悩んで作ったんじゃなくて【とりあえず】作ったものだったんです。だからいまに至ってもかなりいい加減。
●日本は憲法9条があっても戦争ができる国
〔戦争の放棄と戦力及び交戦権の否認〕
第九条 日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。
2 前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。
これを変えちゃいかんという人と、現実的じゃないから変えましょうって人がいるわけ。
でも実際はというと、太平洋戦争後、朝鮮戦争やベトナム戦争があって、日本は基地を提供し、さらに米軍の武器(の材料)とかをバンバン作って大いに儲けた。
おかげで戦後復興はムリとまで荒廃していた日本は、世界的にも気用意的復興に成功したわけ。
「戦争には直接参加しないけど、その他バックアップはどんどんしますよ。儲かるし」というのが、戦後日本がやってきたきたこと。
さらに90年代から海外の「非武装地帯」という名の戦地に自衛隊が派遣されるようになる。自衛隊のお仕事は戦闘参加ではなく、そのバックアップ。名目は戦争参加ではなくて【平和維持活動】
つまり【平和維持】という名目があれば、戦地にいってもいいわけ。例えばいまどこかの国から爆撃機と戦闘機が百機ばかり東京を空爆のため飛んできたとする。
じゃあ憲法9条があるから戦闘にならないかというと、実際なるわな。専守防衛だし平和維持活動だし。
日本の場合、憲法であろうと【解釈】なるもので、どうにでも変容できてしまうので、いざとなったら【解釈】を変えてしまうに違いない。
●【結論】だったら憲法を変えなくていいんじゃないか?
ということはだ、憲法改正によるメリットとデメリットを考えた場合、いま安倍総理が変えたいと思っているようだけど、無理をして変える必要はないのです。
メリットとしては憲法を変えることで解釈という【嘘】がなくなる。
デメリットとしては、安倍総理の希望するように憲法を変えると、近隣諸国とは今以上にギクシャクし、警戒されることは火を見るように明らかであり、変えたからといって景気が良くなるわけでもない。とすれば、いまある憲法をうまく利用して使った方がいい。
憲法改正について、個人的にちょっと不満なのは、改正案が【保守】とされている自民党から出ていて、【リベラル】とか【革新】と呼ばれる政党は【護憲】という極めて保守的な態度であることだ。
本来なら、リベラルとか革新とされる政党が、戦後70年以上たって古くなった憲法を時代に合わせて改正しようというのが本筋。
そこらへんも現在、リベラルや革新と自称している政党がいま一つ支持されている遠因なのかも知れない。
巨椋修(おぐらおさむ)拝