巨椋修(おぐらおさむ)の新世界

作家・漫画家 巨椋修(おぐらおさむ)のブログ。連絡先は osaogu@yahoo.co.jp

日本食は本当に健康にいいのか?

●和食とは

2013年11月、「和食」の無形文化遺産に12月に登録されました。

農林水産省HPによると、和食の特徴として

和食」の4つの特徴

(1)多様で新鮮な食材とその持ち味の尊重
日本の国土は南北に長く、海、山、里と表情豊かな自然が広がっているため、各地で地域に根差した多様な食材が用いられています。また、素材の味わいを活かす調理技術・調理道具が発達しています。



(2)健康的な食生活を支える栄養バランス
一汁三菜を基本とする日本の食事スタイルは理想的な栄養バランスと言われています。また、「うま味」を上手に使うことによって動物性油脂の少ない食生活を実現しており、日本人の長寿や肥満防止に役立っています。



(3)自然の美しさや季節の移ろいの表現
食事の場で、自然の美しさや四季の移ろいを表現することも特徴のひとつです。季節の花や葉などで料理を飾りつけたり、季節に合った調度品や器を利用したりして、季節感を楽しみます。



(4)正月などの年中行事との密接な関わり
日本の食文化は、年中行事と密接に関わって育まれてきました。自然の恵みである「食」を分け合い、食の時間を共にすることで、家族や地域の絆を深めてきました。

http://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/ich/ より引用)



まあ、その通りだと思うんですけど、はたして本当に和食、つまり日本食は健康的なのかという疑問が最近、よく頭をよぎるのです。



●塩分と糖質が多い和食

確かに、日本人の平均寿命は世界トップクラスで、「2015年版世界保健統計」によると、2013年の平均寿命は、男女平均で日本が世界一の長寿国であったそうな。


食と健康は、密接な関係があるから、きっと日本食は健康的なんだろうな・・・ とは私も思うのです・・・ が・・・


しかし日本人の塩分摂取量は、世界的に見ても、大変高いという。


その理由は、料理に直接使う塩ではなく、醤油に味噌という日本料理になくてはならないものだといいます。


しかし、それでも塩分の摂取量は昔に比べてかなり減っています。


http://www2.ttcn.ne.jp/honkawa/2173.html より引用)


そしてそれに比例するがごとく、平均寿命は延びているのです。


また、日本食といえば、白いご飯!


でも白い米と書いて粕(かす)と読むがごとく、白米は最近ダイエットの悪役である糖質でできており、日本人のご飯の摂取量もまた、年々減っています。


http://xn--2ch-yb4ba9a0hczd.jp/%E3%83%8B%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%82%B9/?id=28649 より引用)


でも平均寿命は延びていると・・・


塩分もお米の摂取量も、戦前はいまよりはるかに多く、戦前の日本人の体は、味噌、醤油、ご飯と、ほんの少しのお漬物と魚でできていた時代の平均寿命は50歳程度でした。



●脂肪分が多い洋食


では、和食と洋食がどちらが健康にいいかというと『発酵食品の魔法の力』という本によれば、


和食と洋食のどちらが健康にいいかということを考えてみましょう。たいていの人が和食がいいと答えるでしょう。

世間の常識となっているようですが、その事実を示したデータはひとつしかありません。和洋女子大学の柳沢幸江教授が、和食と洋食の栄養を調査した結果です。


比較する和食のメニューはご飯、ワカメと油揚げの味噌汁、サンマの塩焼き、キンピラゴボウ、ホウレンソウのおひたしです。これに対して洋食は、チーズバーガー、フライドポテト、コーンスープ。ファストフードを洋食の代表に取り上げるのは、洋食党にとって不本意かもしれませんが、ともかく同じカロリー数、五七〇〜五八〇キロカロリーに量を揃えます。


そこで両者を比較してみて、そこで大きく異なるのが脂肪分です。洋食のほうが五〇パーセントも高いのです。


いやいやいや〜、サンマの塩焼き定食と、チーズバーガーとフライドポテトを比較して、和食のほうが健康にいいっていうのは、ちょっとムリがあるような・・・(苦笑)


まあ洋食に脂肪分が多いのは、なんとなく納得できます。なんといっても動物性たんぱく質の摂取量が違いますから。


例えば、日本人がもっともよく食べる肉が豚肉ですが、明治16年、豚肉の消費量は日本平均で年間わずかに4グラム。つまり、ほとんどまったく食べていませんでした。大正10年で500グラムを超えたものの、500グラムといわば、現在のスーパーで1パック程度しか食べておらず、昭和35年になっても、わずかに1,1キログラム程度でした。現在では11〜12キロほど食べているようです。


しかし、世界諸国と比べてみると・・・



http://www.mate.pref.mie.lg.jp/livestock/panel/pa_yot_sekai.htm より引用)


うん、少ない。必然的に日本人の脂肪分摂取量も少なくなると思われますものね。


ちなみに野菜摂取量をアメリカと比べてみると・・・



http://www.twin-dc.com/blog/?p=2136 より引用)


うん、イメージと違って、近年になって逆転しているようです。


まあ、和食と洋食のどちらが健康的かという問題と、肉や野菜の摂取量が直接関係があるわけではないのですが、まあ間接的には関係があるとは、いえそうな気もします。



●和食が元々健康的というより、日本人の志向が健康的になったのでは?

で、私の独断と偏見によると、どうも日本料理は、塩分過多、糖質過多で元々それほど健康的なものではなかった。


しかし、特に戦後、洋食や肉食を大幅に取り入れることによって、少しずつ健康的な食べ物になっていったのではないか・・・ と、なんとなく思うのです。


例えばクリームシチューはみんな欧米からきたものだと思っていますが、実は1960年代に日本で作られた和製洋食。カレーライスも明治時代に作られた和製洋食です。


日本人は、和食にお肉など洋食のエッセンスを取り入れることで、栄養的に良い方向にいったのではないでしょうか?









巨椋修(おぐらおさむ)拝