売られている魚には「活け魚」と「鮮魚」があるのはご存知だろうか?
魚は死ぬと死後硬直をおこす。
捕獲されてから死後硬直を起こすまでの魚を「活け魚」という。
死後硬直が解けて腐る前までを「鮮魚」という。
刺身として食べるのは「活け魚」の状態で、新鮮な刺身がコリコリしているのは、死後硬直のためなのだ。
しかし、魚に旨味がまわってくるのは、死後硬直が解けてからなので、刺身が本当に美味しいのは、死後硬直がやや解けた時期なのだ。
ちなみ青魚は腐敗が早いので、死後硬直中に食べたほうが良い。
タイやヒラメは死後硬直が解けて柔らかくなったほうが旨味が回っていて美味しい。
「サバの生き腐れ」「腐ってもタイ」という言葉はここから生まれている。
牛や豚の場合も、死んですぐだと旨味がまわっていないので不味いのだ。
死後硬直は、2時間後くらいから1日後に起こるが、硬直した肉は硬くて不味い。
よって、血抜きをして内蔵を取り出してから、数日〜1ヶ月くらい吊るして「熟成」するのを待つ。
「熟成」がすすむと、酵素の分解で肉が柔らかくなり、解体も容易にできるという。
これが人間の死体なら、数時間後に死後硬直がはじまり、2〜3日後には腐敗がはじまる。
人間の場合、食品ではないので「熟成」とは言わないのだ。
生きている人間だとどうであろうか?
ダメな人間は「生き腐れ」ていくのだろう。
努力している人間は「熟成」していくのだろう。
かくいうわたしは
「発酵」
しているらしい……
※なんとなく、泣きたくなってきました。
泣いてもいいですか?
泣いてもいいですか???
巨椋修(おぐらおさむ)拝