巨椋修(おぐらおさむ)の新世界

作家・漫画家 巨椋修(おぐらおさむ)のブログ。連絡先は osaogu@yahoo.co.jp

女系の日本

江戸時代のことをいろいろと調べていくと、意外な史実が発見できておもしろいのだよ。


例えば、江戸時代は「火事と喧嘩は江戸の華」というくらいに火事が多かった。


しかも、大火とか大火事が頻発するときは、必ずといっていいほど、景気が悪いときだったりするのだ。


別に貧乏人が腹いせに放火をしてまわったわけではなかろうが、火事が起こると、物価は上昇し、建物を再建しなければならないので、実に効果的に景気がよくなるのだ。


よって、景気対策としての放火があったという説がある。ある意味、某超大国景気対策として戦争を行ってきたというのと似ている。



江戸は封建的で男尊女卑であったというが、実際はそうとも限らず、武家儒教の影響もあり男系であったが、商家は女系であったそうな。


どれくらい女系であったかというと、江戸時代大阪の名門「三井」系の商家を調べたところ、実の息子に家を継がせたのは2割程度で、約8割は、『婿養子』をとっているのだよ。


比較的最近まで、東京の神田、日本橋、京橋の老舗を調べたら、なんとほぼ100%が婿養子が迎えていたというから驚きだ。


つまり、商業というのは競争社会だから、無能のバカ息子に店を継がせるようなことはせず、優秀な店員とか、他店の優秀な男をスカウトしてきて、店を継がせたというわけだ。


ちなみに金貸しも、自分の息子に家を継がせるようなバカ親は信用できない、と金を貸し渋ったそうな。これは昭和初期まであったそうです。


武士は世襲で競争社会ではないから、少々のアホでもバカ息子でもお城勤めはできるが、それはそれでいいのかも知れない。

アホの政治家や公務員(実は公務員はかなり世襲制になってる)は世襲できるが、株式会社の社長が世襲をすると3代で潰れるようなものだ。


実力社会で生き残るための女系社会であったというのが、またおもしろいのである。



巨椋修(おぐらおさむ)拝