ぼくが強烈に憧れた俳優、原田芳雄さんが亡くなって数日たつ。
原田さんとぼくは一度も会ったことはない。
原田さんの家では、毎年お餅つきをやるというので、友人に誘ってもらったことはあるけど、結局いかなかった。
なんかスクリーンで憧れている人だけに遠慮があってね。
お葬式も友人たちが誘ってくれたのだけど、やっぱり行けなかったなあ。
ただ無理やりだけど、原田さんとは多少のご縁“らしき”ものはあってね。
いまから15年位前に、ぼくは小さな映画制作会社を立ち上げたことがある。
そのときの初代社長が、原田芳雄さんが主演されたATG映画『竜馬暗殺』のプロデューサーである宮川孝至さんであった。
宮川さんがお亡くなりになり、ぼくが二代目社長になり、その会社はなくなってしまうのだが、それはそれでぼくの人生にとっては一つの分岐点ではあったなあ。
(そのとき作った借金でいまだに苦しんでいたりするのだけどね。(苦笑))
中田監督がこのとき、栄養失調になってしまったのは、いまでも話題になる笑い話。
なんでも、ロケのときの食事は制作費を削るために薄いカレーとか、ろくなものは出なくて栄養失調で倒れ、病院に運ばれブドウ糖の点滴で復活したそうな。(笑)
この前、日本映画監督新人協会に顔を出してくださった淡路さんも、新人の照明さんとして働いていたらしい。淡路さんは角川映画の『人間の証明』もなさった方。
『竜馬暗殺』の照明が暗いのは、狭い蔵の中で撮った上に予算の関係上、背景やセットの荒さを隠すという目的もあったらしい。
また、『竜馬暗殺』では、日本映画監督新人協会のメンバーである久世浩先生も、殺陣や役者として活躍なされているという。
なんか繋がっているねえ。
原田芳雄さん、ありがとうございました。
実はファンでした。
巨椋修(おぐらおさむ)拝