巨椋修(おぐらおさむ)の新世界

作家・漫画家 巨椋修(おぐらおさむ)のブログ。連絡先は osaogu@yahoo.co.jp

いまもし東アジアで核が使われてしまったら?

 いま、日本の周辺国にはどれくらい核兵器があるのだろう?

 北朝鮮には約30発。中国には約410発の核兵器がある推測。ロシアには約5889発の核兵器があり、アメリカには約5244発の核兵器があるとされている。

 

 日本の隣国の場合、韓国と北朝鮮、台湾と中国などでは、いつ紛争が起こってもおかしくない地域もある。

 

 2023年、長崎大学が中心となった国際プロジェクトで、これらの国が「もし核兵器を使ったら」というシミュレーションを行った。

 

 このシミュレーションで「もし中国が台湾を侵攻し、核兵器を使用したら」というものがある。

 

 

 もちろんいきなり核兵器を撃つなんてことはしないが、侵攻後、米国が台湾に大規模な部隊を送り込み中国軍と激突。劣勢になった中国は「先制しようはしない」という核戦略を放棄し、核兵器を使ったとする。

 

 このとき標的となるのは、日本の佐世保基地、嘉手納基地、グアムの米軍基地に核攻撃。米国は中国のミサイル基地を核攻撃。

 

これで終わらず中国はさらに韓国の米軍基地を核攻撃する。つまり日本も韓国も巻き込まれるのだ。さらに中国は米国本土の基地も攻撃。

 

このシミュレーションでは米中で合計24発の核兵器が使われ、数カ月間で260万人が死亡するという。被ばくにより長期的に亡くなる人は9万6千人~83万人にのぼるとしている。

 

 もし東京でテロが核兵器を使ったテロが起こった場合は、1発で22万人が死亡すると推定されている。ちなみに広島で約14万人、長崎は約7万人の死亡者が出ているから、東京ではそれ以上ということになる。

 

 また恐ろしいことにいろいろなパターンで核兵器の使用をシミュレーションしていくと、その半数ほどが、計画的ではなく偶発的に起こってしまうという。例えばロシアは核兵器システムの中に最近AIを使い始めているが、AIの誤作動とか、事故などで使ってしまうという事があるというのだ。

 

 他にも地上に攻撃するのではなく、上空40~400キロで核を爆発させるという方法がある。この場合、放射線や爆風、熱線は地上に届かず直接の被害は起こらない。しかし放射線が空気中の分子とぶつかり大量の電子が発生、それらは強力な電磁波となり、広い範囲で地上に降り注ぐ。「これを電磁パルス攻撃」というそうだ。

 

もし北朝鮮が、東京の上空80キロで「電磁パルス攻撃」を仕掛けられた場合、何が起こり得るのか? テレビやパソコンが突然壊れ、大規模な停電が起こる可能性があり、その影響は半径1000キロ、北海道から九州に及ぶというのだ。

 

そうなると電車や飛行機が止まるなど、ほとんどのインフラがストップしてしまう。その間に日本は何をされても抵抗できないが「電磁波パルス攻撃」に対抗する方法は、まだこれからだという。

 

核兵器を持ちたい国や組織はたくさんあるのだろうが、何にせよ我が国が最初で最後の被爆地のままでいてほしいと願うばかりだ。