巨椋修(おぐらおさむ)の新世界

作家・漫画家 巨椋修(おぐらおさむ)のブログ。連絡先は osaogu@yahoo.co.jp

人類史はおもしろい

●人類事始 
 ここのところ人類史にハマっている。

 

 地球が誕生して約45億4000万年前。

 

 約40億年年前に生命誕生。

 

 約5億4200万年前~5億3000万年前、カンブリア爆発と呼ばれる生物の多様化。

 

 1億年前、恐竜の全盛時代、6550万年前 、 生物の大量絶滅。この頃、恐竜が絶滅。このとき生き残ったネズミのような哺乳類が我々のご先祖。

 

 約700万年前、人類はチンパンジーと分岐。

 

 約370万~100万年前、アウストラロピテクス(猿人)誕生。そのあと何種類もの人類が分岐したり進化していく。その数、発見されているだけで約20種類。おそらくは50種類の人類がいたのではなかろうかというのが、学者たちの意見だ。

 

 そして約20万年前に、ようやく我々現生人類、ホモ・サピエンスが誕生する。

 

 

●出アフリカ

 このとき、地球には他にもネアンデルタール人はじめ何種類もの人類が存在した。我々ホモ・サピエンスはアフリカに住んでおり、ネアンデルタール人はヨーロッパ、他の人類たちもユーラシア大陸のいろいろなところに住んでいたようだ。

 

 通常、動物というのはある程度決まった地域に住む。

 

 例えばゴリラには西ゴリラ(基亜種ニシローランドゴリラと亜種クロスリバーゴリラ)、東ゴリラ(基亜種マウンテンゴリラと亜種ヒガシローランドゴリラ)がいるが、西ゴリラは西アフリカなどの熱帯雨林東ゴリラはウガンダルワンダコンゴ民主共和国と、分布図が違う。

 

 ライオンはアフリカとインド、トラはアジアやシベリア。シベリアのトラが、自ら旅をしてアフリカに行くことはないし、その必要もない。

 

 人類にもっとも近く知能が高いチンパンジーボノボも、アフリカに定住し、アジアやアメリカ大陸に進出することはなかった。

 

 ホモ・サピエンス以前の人類は、ヨーロッパに進出したネアンデルタール人や、モンゴルや中国に進出したデニソワ人などがいたが、我々ホモ・サピエンスは長くアフリカにとどまり、出アフリカは、一説によると5万年前とも10万年前とも言われている。

 その後、ホモ・サピエンスはどんどんと地球上に拡散していくのだ。その特徴は次々と、他の動物たちを絶滅させなからである。

 

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ホモ・サピエンスの世界進出によって他の大型動物がどんどん絶滅していく
 ホモ・サピエンスの世界進出により、ネアンデルタール人もデニソワ人も駆逐されてしまったようだ。

 

 しかし我々現代生きている人類の遺伝子には、ネアンデルタール人やデニソワ人の遺伝子が数パーセント混じっているという。ただし、ネィティブ・アフリカンにはその遺伝子は混じっていないそうな。

 

 ホモ・サピエンスネアンデルタール人やデニソワ人と淡いロマンスがあったのかどうか・・・ それはわからない。あるいは、性に貪欲で発情期がない、言い換えれば1年中発情しているサピエンスが、捕らえた他人類を性的おもちゃにしていたのかも知れない。いまでも羊や鶏を女性の代わりにするサピエンスはたくさんいるし・・・

 

 ホモ・サピエンスユーラシア大陸からアメリカ大陸やオーストラリア大陸に進出。次々と大型動物を狩りつくし、絶滅させていったという。現在アメリカ大陸原産の大型動物は数種類しか残っていない。オーストラリアやニュージーランドはヨーロッパ人が入ってくる前に絶滅している。

 

 アフリカやユーラシア大陸では、長い歴史の結果、他の大型動物が、ホモ・サピエンスが極めて危険で狂暴であることを学習し、サピエンスの姿を見るとすごく警戒したり、逃げ出すことで絶滅を免れたようだが、その歴史がないアメリカやオーストラリアでは、その学習をする前に、狩りつくされてしまったらしいのだ。

 

 

 

●農耕の発明は失楽園だったのではないだろうか?

 地球上に人類が進出し、人口が400万~1000 万人に達したころ、つまり1万年ほど前、ホモサピエンスは農耕や牧畜を発明する。一説によると狩猟採集だけで生活するためにはそれくらいが、地球の限界であったという。

 

 ほとんどの人は、農業牧畜で人類が豊かになったと思っているかも知れないが、どうもそうではないらしい。農業牧畜の発明は地獄の一丁目だったのだ。

 

 農薬や機械化の進んだ現代でも農業はきつい仕事である。狩猟採集時代男はは3日狩猟をしたら4日は休んでいられた。女は2~3時間木の実等を採集していれば十分だった。しかし農耕や牧畜は基本休みなしである。

 

 土地に縛られる農耕では土地の奪い合いが起こりやすい。つまり大掛かりな戦争が生まれた。

 

 富が一部の支配者に集中し、富める者と貧しい者、王とその他に分かれていく。

 

 農耕では食べ物が麦や米などに偏りやすくなる。そのため病気になりやすく、遺跡や遺骨などを調べたところ虫歯も多くなった。身長もずっと低くなってしまったのだ。

 

 旧約聖書の創世記にアダムとイブが楽園から追い出される『失楽園』という神話がある。楽園を追い出されたアダムとイブは、楽園を追い出された後、額に汗して地面を耕して働かなくてはならなくった。

 

 楽園内が狩猟採集時代、楽園後が農耕牧畜の時代への変化を描いたものではなかろうか?

 

 アダムとイブの長男と次男、カインとアベルの物語をご存じだろうか? 長男カインは農耕を。次男アベルは牧畜をしており、カインがアベルを殺すという話しである。聖書中では人類初めての殺人ということになる。

 

 やはり聖書の創世神話は、狩猟採集から農耕牧畜を描いているに違いないと思うのだ。

 

 

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