(※このピラミッドと目のマークは、フリーメーソンやイルミナティなど秘密結社びマークと思っている人も多いが、実際はキリスト教の三位一体や神の英知を表すマーク)
●オカルト信者と被害者意識
一般の人にとってオカルトはエンタメ、娯楽でしょう。しかし中にはそれら都市伝説を本当のこととして信じている人もいるようです。
ぼくが知っている限りですが、そういった人にはある共通点があるようです。
どういうわけか、オカルトビリーバー(信者)には、ネット右翼か、反対の左翼敵立ち位置の人が多い原発デマを盲信し拡散するタイプの人が多いように見受けるんですよ。
これらに共通するのは、被害者意識です。
ネット右翼は「日本は在日に支配されている」とか「このままでは日本は韓国や中国に侵略されるかも知れない」という一種の陰謀論。
原発デマだと「福島の人たちにがんが増えているが、政府もマスコミも隠している」とか「東北の作物や魚は汚染されているのだが、政府もマスコミも隠している」といったやはり陰謀論。
思えばこういった意識は、オカルトのユダヤ陰謀論等と近い位置にあります。
ユダヤ陰謀論は「ユダヤ人が世界を支配している」といったものですが、現実社会に目をむければ、ユダヤ人の国イスラエルは、その隣の小さな土地パレスチナすら支配できていないのです。しかしオカルト信者はそれは無視しちゃうのです。
●被害者意識に隠れる不安感
陰謀論には不安感が隠れています。ユダヤ陰謀論ですと、もともとはユダヤ人を2000年近く迫害してきたキリスト教徒たちがユダヤ陰謀論を唱えているわけです。
しかしユダヤ人(ユダヤ教徒)はどんなに迫害しても信仰を捨てず、世界を放浪しながら息抜きます。中世ヨーロッパ社会では金融業は卑しい職業でした。ユダヤ人たちは差別をされていたため、あまり職業を選ぶことができず、銀行業をはじめます。
結果、ユダヤ人たちはお金持ちになります。
ユダヤ人たちは、金銭を蓄えても、奪われ続けてきました。金銭は奪われても、知識や知恵は奪われません。結果教育熱心になり、世界人口の0.2%しかいないユダヤ人がノーベル賞の40%を占めるほどになった。
となると、迫害してきた人たちは不安になってきます。「我々はやがて仕返しをされるのではないか?」「いやいますでに支配されているのではないか?」「戦争はユダヤ人が儲けるために影で操作されているのではないか?」「もしかしたら大災害は彼らが・・・」
憶測は妄想となり、やがてトンデモ説も囁かれるようになっていきます。
その根底にあるのは、被害者意識、不安感。
●陰謀論はみな被害者意識と不安感
現在でも陰謀論は山ほどあります。「アポロは月に行っていない」これは私たちは騙されているのではないかという意識の表れ。
オカルトビリーバーの人の中には、空に飛行機雲を見ると「あれはケムトレイルといって、米軍が日本人を弱られるためにある薬をまいているのだ」という人もいます。
(※ケムトレイルというのは『ケミカル(化学的)とトレイル(航跡)』を合わせた言葉)
中には政府が空中から国民を操作するために薬を散布しているとか、花粉症はそのせいだと言う人もいます。
ほかにも東日本大震災は米軍による人工地震であるとか言う人もいます。
エイズなど重篤な感染症などが流行るとにも必ずと言っていいほど、誰かの陰謀であるという説が出てきます。
●不安の強い時代にオカルトは流行する
1970年代半ばから90年代にかけて、オカルトは大いに流行しました。特に70年代半ばは、『エクソシスト』のようなオカルト映画、『後ろの百太郎』といった心霊マンガ、小説では日本がなくなる『日本沈没』が大ヒット。人類が滅亡する『ノストラダムスの大予言』も大ヒット。
これらオカルトが大流行した背景には、東西冷戦でいつ実際に核戦争が起こってもおかしくないといった不安感とやがて20世紀が終わるという世紀末という不安感があったからでしょう。
実際、核兵器や環境汚染等で、いつ人類が滅亡してもおかしくないという不安感が世の中にありました。
不安感が強い時代、オカルトは流行するようです。
現在は東西冷戦のような危機感も、世紀末のような不安感もありませんが、ただ漠然とした不安感はあるようです。
いまでもオカルトやトンデモを信じている人はたくさんいるようです。
もしかしたら、オカルトやトンデモは被害者意識や不安感を持っている人にとって、気持ちを安定させたりする効果があるのかも知れませんね。
巨椋修(おぐらおさむ)拝