巨椋修(おぐらおさむ)の新世界

作家・漫画家 巨椋修(おぐらおさむ)のブログ。連絡先は osaogu@yahoo.co.jp

ボディビルをなめてはいけない


 たまに「ボディビルダーの筋肉は使えない」と軽蔑口調でいう格闘技者がいる。


 あほではないかと思う。


 例えば、空手の一流選手が他のスポーツを初めてやったら当然ヘタで、そのスポーツ選手が「空手は使えない」と軽蔑するに等しい。


 ちなみに、筋肉が強いというだけで、その人の格闘は強い。これはいろいろな人とやってきた私の経験。筋肉を舐めてはいかんのだ。


 そしてボディビルというのは、大変ハードなトレーニングと、そのトレーニングに耐える精神力、さらに各筋肉をいかに鍛えるという知識や、効果的トレーニング法、栄養学について優れた知識がないと、一流にはなれない。


 体脂肪を限界まで落すことも必要。


 その厳しさは、ボクシングのような体重性格闘技に勝るとも劣らない。


 



 かつて世界トップクラスのマッスル北村さんは、驚異的なトレーニングに、筋肉を増やすための増量、そしてその後に脂肪を落とすための減量を繰り返していた。


 下の映像動画は、前半はポッチャリとした体形、後半は2週間後の絞った体型。



 短期間でこれだけの体型変化は、相当過酷なトレーニングと、食事制限をしないと不可能であろう。


 事実、彼はこの映像の数日後に栄養失調によって餓死してしまうのだ!


 ちなみにマッスル北村は、大学入試では、現役で防衛医科大学校早稲田大学理工学部に合格。その後二浪して東京大学理科II類中退、東京医科歯科大学医学部に入学したというほど、優れた知性の持ち主でもあった。


 ちなみにマッスル北村氏と私は同学年である。私が格闘技をはじめた年と北村氏がボディビルをはじめた年は、ほぼ同じ時期だが、当時の空手界では科学的トレーニングはほとんど行われていなかった。


 ボクシング界でも、ボクサーの友人がいたが、『あしたのジョー』や『がんばれ元気』といった漫画そのものの、栄養学とかは広まっておらず、ほとんどはカッパを着込んで大量の汗を流し、食事を制限する程度で、とても科学的とは言えない減量法であった。


 後に私はウエイト制の空手の試合に出るため、一か月で10キロの減量を経験したが、そのとき格闘技の本で減量について書いたものはほとんどなく(いまでもないかも知れない)女性向けのダイエットの本や栄養についての本を参考にするしかなかったものである。


 ボディビル界から比べると、その科学的トレーニング法、栄養学など格闘技界は数十年遅れていたともいえるのではないだろうか?


 ボディビルで作った筋肉は使えないと思っている人は、次の記事を読んでいただきたい。『使える筋肉と使えない筋肉という迷信』きっと参考になると思う。



 
巨椋修(おぐらおさむ)拝