巨椋修(おぐらおさむ)の新世界

作家・漫画家 巨椋修(おぐらおさむ)のブログ。連絡先は osaogu@yahoo.co.jp

植物に知性や感情があるとしたら・・・



 なんでも植物に知性や感情があると考える学者が増えているそうだ。


 同じ種類の植物は何らかの手段でコミュニケーションをとり、弱った仲間を守ったり敵を排除することが実際に起っているという。


 スマトラマレー半島とボルネオといった東南アジアに生息する或る種の巨木は、近隣の同種の巨木と日光を奪い合うのではなく、お互いに譲り合って成長していく『クラウン・シャイネス』という現象がある。



 譲り合っているから、他のジャングルのように木と木の枝葉が重なり合うということがない。日本語では「樹冠の遠慮」と呼ばれているそうだ。


 これも何らかの木と木におけるコミュニケーションがあるからできることであろう。


 他にも植物が嘘発見器に反応することがわかっていたり、ある植物が自分が食べられていると、何らかの方法で仲間に知らせ、知らされた植物たちは、防衛のため葉の味を苦くしたり、防虫物質を出したりするなどが知られている。


 どうやってコミュニケーションをとっているのかは現在のところ不明。


 触れ合っている葉や根っこから伝わるのか、匂いを出して伝えるのか、あるいはテレパシーのようなものがあるのかはわかっていない。


 しかし植物同士がコミュニケーションをとっているということは、意識や感情、知性があるということでもある。


 ベルリン大学の生物学研究所のモニカ・ヒルカー博士は


「彼等は触られた感覚に反応するし、異なる光の波長を感知します。化学的シグナルに耳を傾けます。彼等は(化学的シグナルを使って)話をすることもできます。触覚、視覚、聴覚、会話など、私達が動物にしかないと考えている感覚と知覚能力があるのです」


 他にも多くの科学者が植物に意識や知性、感情があると語っている。


 ただし、植物には脳はない。


 脳がないのに、植物は何をどう意識しているのだろうか?


 例えばリンゴは、実をヒトや鳥獣に食べられ、芯になって捨てられることを知っているらしく、芯が地面に落ちて芽がでるように進化している。彼らはどこで自分たちが芯だけ食べ残されて捨てられることを知ったのであろうか?


 実はリンゴの芯が本当の実で、芯の外側の果肉は「偽果」といってニセモノの実なのだ。彼らはどうして偽果を作ろうと思ったのであろうか?


 脳がない動物としては、ヒトデやクラゲがいるが、彼らは何を考えているのだろう? 


 イカは脳はないのに(脳と思われているのは中枢神経)、鏡に映った姿が自分自身だと認知できる。これを鏡像自己認知というが自然界でこれができるのは、チンパンジーやオランウータン、ゾウやイルカなどのごく一部の動物だけなのに脳がないイカにはその能力がある。知性というのは謎だ。


 いや、人間は自分たちが地球上もっとも知性があると思っているがあやしいものだ。


 人間がヒトデやクラゲ、細菌やウィルスより知性的で優れているというのは、それは一方的な思い上がりというものだろう。


 人間に住んでいる細菌は約100兆。これらの細菌は我々の体内にも皮膚の上にも口の中にも住んでおり、私にはよく理解できないのだが


ネットの『人間はヒトの細胞と細菌から成る「超有機体」』によると


「体内に存在する細胞のかなりの部分は、あなた自身のものではない。それどころか、ヒトの細胞でさえない。それは細菌(バクテリア)の細胞なのだ」


 ということで、人間などはヒトの細胞と細菌の集合体にしかすぎず、その人間だってこの地球に寄生している寄生獣の一匹にしかすぎない。


 人間は人間という枠でしか知性を観られないから、自分たちが一番と思っているが、本当に植物や虫や細菌より優れているとは言い難いのではないか?


 今後、人類が全面核戦争を起こして絶滅したとしても、植物や細菌は生き残るし、いつの日か人類が細菌に感染して人類は滅ぼされてしまうかも知れない。


 まあ、自分が賢いなどと思いあがらないことだ人間どもよ。


 地球や宇宙からみれば人類など地球にはびこるカビのようなものなのだから。



 
巨椋修(おぐらおさむ)拝