巨椋修(おぐらおさむ)の新世界

作家・漫画家 巨椋修(おぐらおさむ)のブログ。連絡先は osaogu@yahoo.co.jp

高度な科学はみんな宇宙人から教わったというのは・・・


●高度な科学技術は全部宇宙人から教わった説は・・・

 ども『地球外知的生命体フォーラム』会長の巨椋修(おぐらおさむ)です。


 宇宙人を語る人に、ときどき「人類の高度な科学技術は宇宙人から教わったもの」とかいう人がいるんですよ。真偽は知らないけど、ぼくの場合それではあまりに単純すぎてかえって夢がないんじゃないかって思うんですよ。


 例えば「オリンピックの重量挙げで金メダルをとる選手は、みんな宇宙人から授かった特殊な薬を飲んだからなんですよ」とかいわれても、なんかそんなにロマンを感じないでしょ。文明や科学も同じだと思うんです。


 別に宇宙人とかUFOを否定しているわけではないですよ、私自身長く格闘技をやっていて格闘技のトップアスリートも知り合いにいるから、その人たちがどれだけの汗を流し、精神的にも悩んで悩んで強くなっていったことを知っているから、素人が「空手の達人は宇宙人から特別な力を授けられて・・・」っていうのに賛同しかねるのと一緒。


 これはきっと現代文明や科学の世界でも一緒だと思っているだけなんです。つまり古代から空を飛びたいって願っていた想いが、ライト兄弟っていう人たちがやっと大地から12秒離れることができて、それから「え? 人間だって飛べるじゃん!」ってなって、それが希望になって、それからたった70年くらいで月まで行ったと。私はそっちのほうにロマンを感じているだけなの。


 まずさ、ライト兄弟1903年12月17日に初めて12秒、約36.5メートルの飛行に成功した。これは宇宙人から飛び方を教わって飛べるようになったというと、たぶん多くの人が「え〜」って思うんじゃないでしょうか。


 トーマス・エジソンは何度も失敗を繰り返して蓄音機、電球などを発明して、現代科学に限りない貢献をしたが、これが宇宙人から教わったて作ったとしたら「なあ〜んだ」と感じません?


 すると宇宙人好きには、こういう人がいるかも知れません。「ライト兄弟とかエジソンのような初期科学ではなく、最先端のステルス兵器とか、電子機器とかをアメリカ政府が教わっていて、CIAがそれを隠蔽しているんですよ」といういう人もいるんです。


 これね、21世紀に生きている私たちにとって、ライト兄弟の初めて飛ばした飛行機や、初めてエジソンが作った白熱電球とかって、現在からみると『誰にでも出来る』と勘違いするもので、だから『大したことない』って思っちゃうんです。

 でもそれが、どうやって飛んでいるのかわからない最先端のステルス兵器とか電子機器とかだったら、もうどうやって動いているのかよくわからない。わからないから『宇宙人が教えてくれたに違いない』ってなるんじゃないかなあ。


 だから逆に古代文明とかになると、必ず「宇宙人が〜」って言う人が出てくる。だっていまより科学がはるかに劣っているはずの古代に、いろいろな文明やピラミッドみたいな巨大建造物が作れるわけがないと思っているから、「宇宙人が〜」っていう発想になるんじゃないでしょうかねえ。


 ま、宇宙人が教えてくれていても、それはそれでいいんですけど、それじゃあ人類のこれまでの、知的努力の積み重ねとかを無視するカタチにさえなりかねないんじゃないかなあって思うんですよ。


 で・・・ でも古代文明世界でUFOとかが飛び交っていたら・・・ って想像するのは凄く楽しいけど(笑)。

 そして宇宙人から何等かの知恵を授かっていてら・・・ って想像するのも凄く楽しいけどね(笑)。



ニュートン力学は最初イカサマ呼ばわりされた


JAXA小惑星探査機「はやぶさ」物語より


(※アイザック・ニュートン(1643年1月4日 - 1727年) 物理学者、数学者、自然哲学者)


 ライト兄弟エジソンの発明は、そんなにナメたものじゃないのですぞ。発明十年後には軍用機となり、20数年後には大西洋無着陸横断飛行に成功、やがて旅客機になりと急速に発展していきます。


 それがやがてマッハを超えるスピードを出し、空中でホバリング、つまり空中停止できる飛行機まで現実にできるようになり、宇宙にまで人類は飛び出してる。


 これって凄いと思わない? ロマンだなあって思うんですよね。この知的努力をすべて「宇宙人が〜」っていうのは、なんかロマンとかないんじゃないかなあって思ったのよ。


 もちろん、宇宙人とかUFOっていうのはともてもロマンがあるけどさ。人類の叡智ってのもロマンがあると思うのね。


「いやいや〜、ジェット機くらいまでは地球人の知恵でできるけど、それ以上はきっと宇宙人が・・・」という宇宙人ファンがいるのは目に見えるようですけど、いまでは当たり前のニュートンの『万有引力』は当時の科学者から「フェイクだ」「イカサマだ」といわれたくらい常識を超えたものだったの。ちなみにこれは17世紀に発見ささたもの『力学』です。


 ニュートン力学が生まれることで、数百年後にアインシュタインの『相対性理論』が生まれ、そこから最先端のステルス兵器とか、電子機器が誕生することになります。


 これらはすべて、科学者の努力の継承と積み重なった『知の集合』であり、宇宙人がフラリとやってきて教えてくれたとすると、地球の科学者たちの努力を軽く見すぎているように思えるのですよ。


 そしてアインシュタインの『相対性理論』から物理学はさらに急速に進歩し、いまや『相対性理論』すら覆されそうな勢いだといいます。



●個人の意見と人格は別物なんだよ

 UFOファンの人は、なんでも宇宙人の介入や陰謀論で決めつけたがるんだけど、それはいささか短絡的すぎるのでは?  と、私などは思ってしまうのね。もちろん陰謀がないなんていいません。陰謀はあって当たり前だと思ってます。


 ただねえ、私が「高度な科学はみんな宇宙人から教わったというのはロマンがない」なんていうと、UFOファンの中には【巨椋(私のコト)は我々UFOファンを馬鹿にしている!」って激高する人がいたりします。

(いえね、かつて何度か「ぼくはこう思うんだけど・・・」っていったら本気で怒り出したり、傷ついたりする人が出てきて、「ああ、日本人は自分の意見と違う意見を言われると、自分の人格を否定されたと思って怒ったり傷ついたりするっていうのは本当なんだな」と思った次第。


 でも、意見と人格とは別物だし、個人的意見とは仮説の一つに過ぎず、いろいろな意見があってもいいと思っているのですが、【自分の意見=自分の人格】と信じている人が多いみたいで、私個人の意見を述べただけで、私の人格を否定する人が出てくるかもしれませんなあ(笑)。


 もう一度いうよ。「高度な科学はみんな宇宙人から教わった」というのも一つ意見(仮説)。


 私が「高度な科学はみんな宇宙人から教わったというのはロマンがないなあ」というのも一つの意見(仮説)。


 仮説だから意見が違う人同士が話し合って落としドロコを見つけたり、どちらが正しいかを【人格攻撃をするのではなく、意見を出し合って証明しようとする】というのが、より良いと思うのだけど、なぜか議論とか討論や落としドコロを探すのではなく、お互いの人格攻撃になってしまうのは残念無念。


 何度もいうけど私自身は宇宙人やUFOの話しは全然嫌いじゃないの。そのうち本とか書こうかと思っているくらいね。


巨椋修(おぐらおさむ)