●イエスは13日に処刑されたわけではない
そういえば今日は13日の金曜日である。多くの人は13日の金曜日を不吉と思っているであろうが、それはとんでもない間違いなのだ。
なぜ不吉とされているかというと、イエス・キリストが処刑された日が13日の金曜日とされているとか、あるいは、イエスの弟子に12使徒という主要メンバーがいて、その13番目がイエスを裏切ったイスカリオテのユダであったという説がからであろう。
まずイエスが処刑されたのは13日ではない。聖書をひもといていくと、ニサンの月の14日であることがわかる。よって13日が不吉ということはない。
また、イタリアで不吉な日は17日の金曜日。スペインでは13日の火曜日で、13日の金曜日を不吉とするのは、英語圏とドイツくらいであるという。
●ユダがイエスの13番目の弟子であるというわけではない
まず、聖書をちゃんと読み解いてみると、イスカリオテのユダが13番目の弟子であったということはない。
ちゃんと12使徒の1人として何度も書かれている。
例えば新約聖書マタイ10章にはこう書かれている。
「十二使徒の名は、次のとおりである。まずペテロと呼ばれたシモンとその兄弟アンデレ、それからゼベダイの子ヤコブとその兄弟ヨハネ、ピリポとバルトロマイ、トマスと取税人マタイ、アルパヨの子ヤコブとタダイ、 熱心党のシモンとイスカリオテのユダ。このユダはイエスを裏切った者である。」
これでユダがイエスの13番目の弟子だから不吉な日という根拠はなくなった。
金曜日に処刑されたという説は、聖書にはイエスが安息日の前日に処刑されたとマルコ15章42節にあるので、その可能性は高い。古代ユダヤ人の安息日(休日、もっとも正しくは休日ではない。一日を神に祈り捧げる日であるから仕事をしなかっただけ)は土曜日だったからだ。
それどころか、キリスト教徒にとって、イエスが処刑された日は、めでたい日といえる。
なぜならば、なぜイエスが処刑されたかというと、人間はアダムとイブが禁断の木の実を食べたことで、罪びととなっていたのが、イエスという神の御子が人間として降臨し、その人類の罪を一身に背負い処刑されることで、神を信じる人のみが、終末の日のあと、永遠の命を授かるとされており、死んだ人も肉体をもって復活するとされているからだ。
よってキリスト教徒の中には『聖金曜日』といって、金曜日を祝う習慣をもつ人たちもいるくらいなのだ。
よって、13日の金曜日が不吉というのは、まったくのデタラメ。
そもそもキリスト教では、イエスが処刑された十字架をシンボルにしている宗教なのだ。イエスの処刑は喜ばしいことなのである。
13日の金曜日は不吉という迷信を信じている人がいるかもしれないので、とりあえず書いてみた。
聖書について知りたかったら、吾輩の著書、『ビックリおもしろ聖書物語』]を買って読むがよいぞ(笑)。
あ、最後に一言、映画『13日の金曜日』はジェイソンがチェーンソーを振り回すイメージがあるけど、一度もジェイソンはチェーンソーを振り回して殺してないから。これも迷信・・・ というか誤ったイメージの一つだねえ(苦笑)。
巨椋修(おぐらおさむ)拝
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巨椋修(おぐらおさむ)は陽明門護身拳法という護身術&総合格闘技の師範をやっています。
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