さて、忘年会は宴もたけなわ、いよいよラストのビンゴ大会となりましたさ。
景品はいかに
大人のおもちゃ
とはいえ、やはりこのような遊びは燃えるものです。
しかしクジ運の悪い巨椋は、ビンゴなど関係なく、周囲の人たちは続々と大人のおもちゃを手に入れているではありませんか。
しかし、取ったとはいえモノは大人のおもちゃです。
家庭にもって帰るわけにもいかず、みなさんなぜかわたくしに、
「巨椋くん、持って帰ってくれんか?」
などとおっしゃります。
しかし、そのような品物を活用するような状況でもなく
(つまり彼女がいなかったのね)
丁重にお断りなどしておったのでございます。
そうこうしているうちに、ついにわたくしにも、ビンゴのときがきました。
司会の若手編集者は大声でいいましたさ。
「おおっ 巨椋さんついにビンゴです!!
さあああて、品物はなんでしょう……
お、おお!
電動きんちゃくシビレフグです! 巨椋さんにピッタリだああ!!」
失礼な!
なにがピッタリなんでありましょうか!
しかし、その夜、わたしはしっかりと、ビンゴゲームの商品
電動きんちゃくシビレフグ
なるものを自宅に持ち帰ったのでございます。
ちなみに使用することはありませんでした。
正直いうと、使いがってがよくわからなかったのでございます。
そしてそのシビレフグなるものは、そのまま押し入れの中に放り込んだまま、すっかり忘れておったのでございます。
やがてときは流れ、やがてわたしにも、素敵な彼女ができ、そしてその彼女は、料理、洗濯、さらに掃除もお得意のわたしには、できすぎた女性だったのであります。
その彼女が、わたしの部屋にきて言いました。
「よお〜し、きょうはこの部屋をお掃除しましょう!」
そのとき、わたしは自宅で仕事中であり、まあ、あまりにも散らかっているこの部屋を掃除してくれるのなら、ありがたいなあ・・・と、ただそう思っておりました。
しかし、彼女は大変掃除が得意な人というか、キレイ好きな人で、徹底的にわたしの部屋を掃除しだしたのです。
ええ、それはもう、スミからスミまで・・・
つまりさ・・・
押し入れの奥まで・・・
そのとき彼女は、押し入れに上半身を突っ込みながら、動きが止まり
「ま……、まあ、き、今日はこの辺でやめておきましょう」
と、不自然にいうではありませんか……
そのとき思い出したのです。
昔、ビンゴゲームでいただいた
電動きんちゃくシビレフグが、押し入れに放り込んだままであったことを……
その後……
間もなくその彼女とは、別れました。
はたしてその原因が電動きんちゃくシビレフグで、あったのかどうかはさだかではありません。
わたしはそのとき思い出したのです。
その昔、友達の引越しを手伝ったとき
その友人の押し入れから、ダッチワイフが出ていたときのことを……
因果はめぐると申します。
ただ、わたしに言えることは、彼女に
「こ……、これは友達にもらったものなんだあああ」
と、大声で言い訳をしなかっただけましであったのかも知れないと思うばかりであります。
巨椋修(おぐらおさむ)拝