ある日のことでした。
巨椋は、知り合いの女性から相談がある。と、いわれその娘のお部屋にうかがったことがございます。
部屋に通されると、そこは、キッチンと6畳ほどの、清楚な雰囲気の部屋でございました。
部屋には洋ダンスにベット。部屋の中央にガラスのちゃぶ台があり、わたしはビールを飲みながら、彼女の話しを聞いていました。
相談ごとはわかっていました。
その女性は、巨椋の知り合いの男性と付き合っており、その男性が二股をかけていることが発覚したというのです。
巨椋は、男性からもそのことを相談されていましたので、だいたいのことはわかっておりました。
わたしは、ひたすらその女性のいう愚痴を聞いておりました。
やがて女性は、小用にたったのでございます。
人の部屋へ行って、相手がいなくなると、なんとなく手持ちぶさたになるものでございます。
部屋を見渡してみると、女性の一人暮らしらしく清楚な雰囲気でございました。
わたしは何となく彼女のベットに腰を降ろし、枕を少し移動しました。
そう……
ほんとに何気なく……
と……
そこにあったのでございます。
あのアダルトビデオで、よくみるバイブレーターが!!
そのとき、トイレから水の流れる音が……
やばい! 彼女が出てくる!!
わたしは大慌てにあわて、枕を元通りに直し、ちゃぶ台の前へ座りなおしました。
そして彼女の顔をまじまじと見てしまいました。
彼女は、清潔で知的な感じの女性でした。
その彼女の枕の下に、大人のおもちゃ?
もう、巨椋の頭の中は、おかしな妄想でいっぱいです。
しかしそのときの雰囲気は、とても
「おまえ、ベットの下にバイブ隠しとるやないけ〜」
と、冗談をいえるような雰囲気ではありません。
わたしは、見てはいけないものを見てしまった罪悪感から、その場を早々に退散いたしました。
その後、彼女とは外で何回か飲んだりしましたが、その女性と男性がどうなったのかは知りません。
いま思えば、あの夜はいったいなんだったのでしょうか?
考えてみれば一人暮らしの女性が、相談があるからと男性を部屋に入れたりするのでしょうか?
ひょっとしたら誘われていたのでしょうか?
あれから、わたしは下心のない女性の部屋に一人で入るというのを自粛するようになりました。
しかし人というのは、外見ではわからないものでございます。
みなさんも自分の彼女、彼氏が、あなたの知らない何かを隠し持っているかもしれませんよ。
巨椋修(おぐらおさむ)拝