巨椋修(おぐらおさむ)の新世界

作家・漫画家 巨椋修(おぐらおさむ)のブログ。連絡先は osaogu@yahoo.co.jp

再録富山奇11 三日目

※これは10年前、自主映画「不登校の真実」を撮ったときの日記。

久しぶりに読んだら面白かったのでアップします。(笑)



富山入り三日目の朝、オレは、例によって昨夜の酒を残したまま目が覚めた。

昨夜タクシーで、S高校に帰ってから、軽く飲んだ後に寝たのである。

軽くシャワーを浴びてから、職員室に行くと、女性教師のM先生がいる。

オレとアベは、M先生に昨日アベが電気屋を探して帰って来なくなったことを話すと、親切にもM先生は車で、電気屋さんまで案内してくれた。

その日は、土曜日で学校はお休みで授業はない。

我々はM先生にご好意に甘えて、国道沿いの量販店の電気屋にいき、イヤホンを購入。

朝食を済ますと、オレとアベは富山市街の撮影に取り掛かる。

たかが街の風景を撮影を撮るだけでも、いいアングルから撮るためには、意外なほど時間が必要なのだ。

二人で熱中しながらいいアングルを探していると、富山大学非常識講師であるミヤカワ氏からオレの携帯に電話が掛かってきた。

「オグラさん、何やってんスか?」

「何って、駅前を撮ってるんだよ。決まってるじゃん」

「いま何時かわかります?」

「12時50分」

「1時から県庁にいって、教育委員会の人と会うの覚えてます?」














「あ。」









「忘れたんですか?」

















「忘れてた」




















『もう……、ダメだなぁ……』











く、くく……、非常識講師から、ダメ出しされる屈辱……。




確かに、忘れてた。

ええ忘れてましたさ。

忘れていたとも。

くっそーっ、わずか3日とはいえオレにしてみれば、スーパーハードなスケジュール。

そりぁあ予定のひとつくらい忘れることだってあります。

そう自分に言い訳するオレに非常識講師ミヤカワの追い討ちが襲う。















『もう、ばかなんだから……』










く……、くく……

非常識講師から、ばか呼ばわりされるくやしさ。







何も言い返せないオレ。



「もう、仕方ないから、これから迎えに行ってあげますよ」








非常識講師にあげます呼ばわりされ、屈辱にまみれながら、オレとアベは、ミヤカワ氏の案内で県庁に向かう。

土曜日で人の少ない県庁に入り、教育委員会のエライ人に面談し、この映画の協力をお願いする。

意外なほど好意的である。

考えてみれば、東京でも文部科学省に行ったとき、大変好意的な待遇をしていただいたのだ。

そのときオレを文部科学省に連れていったのも、ミヤカワ氏であった。思えば変なヤツである。




非常識だがな! フン!!




県庁から、上映についてのアドバイスや、いろいろな協力の相談に乗っていただいた後、S高校に戻る。

とにかく時間を無駄にしたくない。

S高校で、さきほど我々を電気屋に連れていってくれたM先生にインタビューをする。

そうこうしていると、中日新聞の記者さんが取材にこられた。
オレが取材をされているシーンをお願いして撮影させていただき、逆取材をする。

取材が終わるころには、もう夕方である。

オレとアベは、小腹を満たすために、ラーメン屋へと向かったのであった。

オレは麺類大好き人間なのだ。

旅行をした場合、必ずその土地のラーメンや、そば、うどんなどをいただくようにしている。

オレとアベは、地元の人から聞いたラーメン店に行ったのである。













するとそこでとんでもないことが……





つづく