巨椋修(おぐらおさむ)の新世界

作家・漫画家 巨椋修(おぐらおさむ)のブログ。連絡先は osaogu@yahoo.co.jp

再録富山奇行13 富山最後の夜

※これは10年前、自主映画「不登校の真実」を撮ったときの日記。

久しぶりに読んだら面白かったのでアップします。(笑)



富山に来て4日目の朝である。

実は、昨夜も遅くまでS高校のK先生と酒盛りをしてしまっていたのである。

もはや酒まみれといってもいい状態なのである。

4日目の朝は日曜日であった。

本日の予定は、午後2時から朝日新聞さんから取材を受ける。逆取材をする。

午後4時から読売新聞さんから取材を受ける。逆取材をする。

午後6時からチューリップテレビさんの記者さんと打合せをする。その後飲むというものである。

こう書くと、ずいぶんと忙しそうに聞こえるかも知れないが、すでに新聞社やテレビ局の方々とは、知り合いになっているので、比較的気楽なものであった。

午前中は時間があったので、富山市街を散策する。

午後は先ほど書いた通りの予定をこなす。

そしてチューリップテレビのI記者と、今後の撮影や東京での撮影について、軽く打合せの後、またしても飲み会ということになるのである。

打合せの途中から日が暮れだし、夜といってもいい時間になってくると、一人二人のメンツが増えてくる。

もはやいつものことといってもいい状態である。

自然と酒盛りが始まる。

初めての人もいる。

そんな人にも取材をして、不登校について、どんな思いをしているのかを聞く。それをカメラに収めるのだ。

ほどよく酒が回ってきたときに、タイ式のマッサージを日本で教えているというご夫婦が見えられた。

さっそくI記者が、マッサージをしてもらっている。

しかもご夫婦二人がかりである。

ダンナさんがI記者の足を

奥さんがI記者の首をもみもみしている。

たちまちI記者は、極楽気分になってしまっているでわないか!

ちなみに、I記者は若い女性の記者である。

そのI記者があまりに気持ち良さそうなので、横になってマッサージをされているI記者の耳元に、オレは唇をそっと近づけて、太く低い声でささやいた……。














ええか……、ええのんか……









「ひやぁぁぁああぁぁぁ!!」











I記者は極楽気分など一瞬で吹き飛んだかのように飛び上がった。


富山最後の夜にして、その日以来、オレはセクハラ大王とばれるという不名誉をこうむったのである。


つづく