15世紀のフランスにジャンヌダルクという女性がいました。
13歳で大天使ミカエルの「フランスを救え」という天声を聞き
17歳で、イングランド軍に包囲されたオルレアンの町を救い
19歳で味方のフランス軍に裏切られ、敵のイングランド軍に捕まり処刑された。
その死は、あまりにも可哀想なのです。
ジャンヌに大恩があるはずの、フランス王シャルル7世はあっさりとジャンヌを見捨て、そして裏切り。
ジャンヌを裁いたのは、教会でした。
教会は、大天使ミカエルの声を聞いたとするジャンヌを異端者として裁いたのです。
おまけにジャンヌは、戦争のときズボンをはき、甲冑を身に着けていました。
つまり男装をしています。男装をしている女性はそれだけで魔女の烙印をおされるような時代でした。
当時の異端裁判は、魔女狩りの一種で、魔女は悪魔と性交しているはずだから、処女ではないとされ、ジャンヌは処女であるかないかの検査も受けますが、結果、ジャンヌの処女は証明されました。
そのこともあり、また、裁判の途中、ジャンヌは自分は異端者ではないと主張、教会に従うという宣言もしたため、一時は無罪になるかというところまでいったのですが、看守たちからのレイプから少しでも逃れるために、ズボンをはきました。
(その後、やっぱり輪姦され、糞便を食べさせられるという虐待を受けたとの説がありますが……、たぶん事実なのでしょう)
キリスト教の聖典、聖書には女性が男装をすることを厳しく禁止していますので、ズボンをはいたジャンヌは結局死刑。
それもキリスト教徒としては、もっとも忌むべき火あぶりで処刑されます。
(当時のキリスト教では、火あぶりにされ、遺体が灰になってしまうと神からの復活はないと考えられていたそうです)
処刑のあとは、亡骸は全裸にされ、股間を開かされ、女性器をさらしものにされています。
(これは、魔女は男根が生えているという迷信があったためで、当然、ジャンヌには男根はなく、少なくとも魔女ではないと証明されたらしい)
と、いうなんとも可哀想な亡くなり方をした英雄です。
中世ヨーロッパについて、少し調べていると、こんな事件がちょくちょく出てきたりします。
巨椋修(おぐらおさむ)拝