ルイス・フロイスが書き残した『ヨーロッパ文化と日本文化』(岩波文庫)という本がおもしろいのだ。
戦国時代に日本にきて、信長や秀吉にあっている人であるが、庶民ともよく交流し、当時の日本人を描いている。
例えば男と女について、
「ヨーロッパでは娘や処女を閉じ込めておくことはきわめて大事なことで、厳格に行われる。日本では娘たちは両親にことわりもしないで一日でも幾日でも、ひとりで好きな所へ出かける。」
「ヨーロッパでは妻は夫の許可が無くては、家から外へ出ない。日本の女性は夫に知らせず、好きな所に行く自由をもっている。」
「ヨーロッパでは未婚の女性の最高の栄誉と貴さは、貞操であり、またその純潔が犯されない貞潔さである。日本の女性は処女の純潔を少しも重んじない。それを欠いても、名誉も失わなければ、結婚もできる。」
「ヨーロッパでは、妻を離別することは、罪悪である上に、最大の不名誉である。日本では意のままに幾人でも離別する。妻はそのことによって、名誉も失わないし、また結婚もできる。」
「汚れた天性に従って、夫が妻を離別するのが普通である。日本では、しばしば妻が夫を離別する。」
「ヨーロッパでは普通女性が食事を作る。日本では男性がそれを作る。そして貴人(フィダルゴ)たちは料理を作るために厨房に行くことを立派なことだと思っている。」
昔の日本がいかに恋愛や結婚に自由であったかがわかります。
そしていかに女性が強かったかがわかりますね。
450年のときを超えて、ようやく日本人が先祖がえりしてきたということでしょうか……
巨椋修(おぐらおさむ)拝