巨椋修(おぐらおさむ)の新世界

作家・漫画家 巨椋修(おぐらおさむ)のブログ。連絡先は osaogu@yahoo.co.jp

映画監督残酷物語

『嗚呼!!花の応援団』『博多っ子純情』『天使のはらわた 赤い教室』『新宿乱れ街 いくまで待って』など1970年代、80年代の日本映画界で売れっ子だった映画監督、曽根中生さんが生きていた。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110827-00000022-flix-movi

借金のために失踪していた監督である。

一説には殺されたとか自殺したとかいう噂もあった。

おそらく芸能界でもっとも苦しい生活をしているのが「映画監督」という人たちではなかろうか?

もちろん、売れない芸能人や芸人のキツイのだけど映画監督もキツイのだ。

現代日本の映画システムは、小さな制作会社や映画会社にお金が回ってこないようなシステムになっているのだ。


日本を代表する監督である大島渚さんがもっとも売れていた時代、大島監督の年収は400万円程度だったそうな。いくら時代が違うからといってこれはキツイ。

大島さんほどの大物ではない、無名の監督となるとその生活はかなり悲惨であったと想像せざるを得ない。

事実、現代も独立プロや制作会社系の監督の生活は悲惨であることが多い。

ぼくように映画にほんの少しかかわっている人間でも、この十数年間のうちに自己破産してしまった監督や制作会社の社長を何人かしっている。

ある人はぼくの前で涙をボロボロと流し、ある人は突然事務所がモヌケの殻になっていたこともある。

付き合いのあった制作会社が音信不通になり、様子を見にいったら、サラ金屋に壊されたのであろう、ポストが壊されており、事務所の中は、金目のもの意外机も椅子、事務用品などはそのままになっていたこともある。


現在、映画監督を名乗っている人はたくさんいるが、映画監督収入だけだと平均年収100万円もないのではなかろうか?

それでも映画監督を夢みる者は多い。

だが現実は限りなくキビシーのである。

ということで、『嗚呼!!花の応援団』の歌。



巨椋修(おぐらおさむ)拝