巨椋修(おぐらおさむ)の新世界

作家・漫画家 巨椋修(おぐらおさむ)のブログ。連絡先は osaogu@yahoo.co.jp

魔女狩りに想う



キリスト教史の勉強をしていて、ちょっと興味が引かれたのが中世に起こった【魔女狩り】ってヤツね。


魔女狩りヨーロッパ史キリスト教徒の汚点なんだけど、これは中世だけでなく20世紀に入っても行われていた。


アメリカのKKK団もそのひとつ。異教徒や異民族(黒人)を殺しまくったのも魔女狩りの一種なのね。


そして、魔女とされた人のほとんどは無実。


魔女狩り初期の頃は、比較的貧しい女性や社会的弱者がターゲットにされたらしい。

(魔女といっても、女性と限らないんだけど殺された人の8割以上が女性だった)


いわば、一般庶民のストレス解消として、社会的弱者を拷問して殺して楽しんでたんだな。


それが魔女狩り後期になってくると、ターゲットが金持ちになってくる。


理由は、殺す相手を魔女と断定できれば、その財産を教会が没収できるから。


金持ちだろうが貴族だろうが、当時の教会の権力には逆らえない。


なんといっても聖書にこう書いてある。


出エジプト記22章18「呪術を使う女はこれを生かしておいてはならない」



かくして教会が「ヤツは魔女だ。異教徒だ」と決めてくれれば、後は捕まえて拷問して死刑を見せ物にして、財産を没収できるというステキな商売まで成り立つのね。


魔女狩りをやっていたのはカトリックだけじゃない。


かの宗教改革マルティン・ルターはいった。


「わたしは魔女を皆殺しにしたい!」


実際、ルターは魔女を殺してるしね。


かの宗教改革カルヴァンはいった。


「魔女なんて焼き殺しちゃえ!」


アメリカのKKK団も最初のターゲットは黒人ではなく、カトリック教徒だった。
プロテスタントからみれば、カトリックは異教徒ということになるからね。



魔女狩りを調べていると、人間の裏側が透けて見えるような気がするよ。