「霊は在るか?」という質問に対する答えは、大変難しいものです。
それは信仰者から「神は在るか?」と、聞かれるようなものと同じと言えましょう。
たとえば世の中には、統合失調症の患者さんや、各種薬物中毒の方々がいます。
それらの患者さんの中には、「幻聴・幻覚」に苦しんでいる人が大変多くおられるのです。
そういった病気の人は、他の人が絶対に見えない人が姿が見え。
他の人には聞こえない、他人の声が聞こえます。
はたして、他人には、見えない聞こえない姿や声だから、
「幻聴や幻覚は存在しない」
と、言い切ることが可能なのか?
答えはノー。
だって、あなたには聞こえない見えないかも知れませんが、その人には、確実に聞こえており、見えており、そのために苦しんでさえいるのですから。
つまり、その人の脳には、確実に、誰かの声が存在し、姿も存在しているとしかいいようがない。
ただ、あなたの脳には、そんな幻聴も幻覚も存在しないということになります。
さて、世の中には、「霊」が見えると称する人が少なからずいます。
でも他の人には見えない。
この場合も、統合失調症や薬物中毒の幻覚・幻聴と同じと考えていいでしょう。
テレビや商売用にウソをついていなければね。
古来、霊が人間に凄く迷惑をかけたという話しを聞いたことがありません。
(ただしとり憑かれて苦しんだり、悩んだという話しはありますが)
同じく、凄く人の役にたったという話しも聞いたことがない。
これは、神も一緒で、神が大勢の人を救ったとかという話しを聞いたことがない。
大勢の人を滅ぼしたというのは良く聞くけど……
統合失調症の人に関しては、「人が見える・幻覚が聞こえる」と訴えてきたとき、ちゃんとその人の言葉を聞いてあげてほしいものです。
少なくとも、その人には見え、聞こえているのですから、それを頭ごなしに「ウソつき!」と決めつけるのは、あまりにも残酷です。
多くの場合、統合失調症の患者さんはその幻覚・幻聴で苦しんでいることが多いうえ、「ウソつき」呼ばわりはあまりといえばあまりと言えましょう。
また、マスコミに登場する「霊能者」のほとんどは偽者です。
一種の詐欺師か、タレントと思ってよろしい。
さて、これまで書いたことをまとめておきましょう。
●統合失調症の人は、幻覚・幻聴を見聞きしますが、それは他の人が感知できないだけで、ご本人の脳には、実際にそれが見えており、声が聞こえます。
つまり、そういった方々には、本当に「在る」のです。
●自分たちが見たり聞こえたりしないからと、そういった方々をバカにするのは、ひどく残酷なことです。
では、最初の質問、「霊は在るか?」と、いうことですが、これまでの論点ですと、
霊を見た感じた聞こえたという人には「在る」
感じたことがない人にとっては「ない」
というのを基本にして、後はそれぞれ“自分の都合”で決めれたいいんじゃないでしょうかね?