巨椋修(おぐらおさむ)の新世界

作家・漫画家 巨椋修(おぐらおさむ)のブログ。連絡先は osaogu@yahoo.co.jp

外道人生相談 迷惑のかけない自殺法


相談者「最近つかれちゃって、自殺したくてしたくて仕方ないんです。でも、自殺をすると周囲に人にメイワクをかけちゃうし……」


お答えマン「そうですね、電車に飛び込んだらダイヤが乱れるし見苦しい、樹海で死んだら、地元の村の人がメイワクします」


相談者「何か人にメイワクをかけない、そして楽で苦しくない死に方はないものでしょうか?」


お答えマン「ございますよ。楽に死ねて、世のため人のためになる方法が」


相談者「ホントですか? どういう仕組みなんです?」


お答えマン「わたしの息のかかった病院が、安楽死させてくれます。遺体は、臓器提供や医学部の解剖に使われ、いま生きている人や、将来の医学に役立てることができます」


相談者「ホントですか? じゃあお願いできますか」


お答えマン
「ただし、少々お金がかかります。お持ちの全財産、および生命保険の受け取り金の半分をいただきます」


相談者「どうせ死ぬんだ。全財産でもかまわないですよ」


お答えマン「残された家族のため、半金は遺族にお渡しする決まりです。自殺の場合、遺族が傷つくという場合も多いのですが、その病院で死ぬと、すべて病死として記録され、残された家族や友人も、罪の意識を持たずにすむというメリットもありますね」


相談者「ありがたいなあ、どこにその病院があるんです?」


お答えマン「あなたが普段通っている国立病院ですよ。国家としては、グズでダメ国民は必要ないので、生きていても大して役に立たない人が通院してきたら、生きる気力をなくす薬を飲ませて、自殺に向かわせるんです。

もっとも、ただ死んでもらったり、他の人を巻き込んだら、周囲のメイワクですから、医学に役立つ死に方を考えたんです。

良かったですね、あなたようなダメ人間も、最後に人の役に立つ死に方ができるのですから、さっき奥さんやお子さんとお話ししましたが、みなさん大喜びでしたよ、奥さんは早速、出会い系サイトに再婚相手を探しにいくと言ってました」


相談者「な、なんだかおもしろくないなあ、きょうは帰ります」


お答えマン「ムリですよ、だってもう隣りの部屋に病院からお迎えがきてますから、どうしてもというのなら、いまここで殺してさしあげても結構なんですよ、心筋梗塞かなんかで始末しときますから……」