巨椋修(おぐらおさむ)の新世界

作家・漫画家 巨椋修(おぐらおさむ)のブログ。連絡先は osaogu@yahoo.co.jp

ゴキブリ墓場


昔々、世田谷区笹塚に住んでいた頃の話しである。

オレは4畳半のひどいボロアパートに住んでいたのである。

壁は総ベニヤ張り隣人のあくびまで、しっかりと聞こえる壁の薄さ。

どう考えても、昔材木商で働いていたという大家が、廃材を使って建てたハンドメイドとしか思えないアパートであった。


そんな部屋であったが、オレは結構、自由気ままにやっていたように思う。

週4〜5日は、友人が遊びにきて大騒ぎをするし、女の子も結構遊びにきていた。


確かにボロアパートではあったけど、最初、ゴキブリはそんなに出なかったように思う。ゴキブリホイホイで対応できるくらいであった。



それは、向かい側の住人が引っ越してからであった。

ある日、押し入れを開けたとき床が ザッ と動いたように見えたのだ!


それこそ、おそらくお向かいからお引っ越ししてきたゴキブリたちであった。


















オレは戦慄した!!


















もはや、ゴキブリホイホイとかスプレーで対抗できるような数や状況ではない!!



オレはゴキブリと、戦い抜いた歴戦の戦士から、『コンバット』なる駆除剤が有効であるという情報を仕入れると、さっそく大量のコンバットを買い込み、部屋の隅々に設置したのである。



はたして効果は……









あった。









たちまち、ゴキブリたちは激減!


やがていなくなってしまったのである。


そのときオレの脳裏にイヤなことがよぎった。

『コンバット』はゴキブリにとって猛毒であるはずだ。

それなのに、あれだけ大量にいたゴキブリの死体が見当たらないのというのは、おかしい。











おそらく……









このアパートのどこかに……









大量の死体が集まる、ゴキブリ墓場があるのではないだろうか……?









例えば、オレの部屋の床下あたり……










あ〜、考えたくない! 考えたくない!!









それにしても、あのゴキブリというのは、なんとも不可思議な生き物である。

人間が追い詰めると、顔面に向かって正面突破をしようとするのだ!


また、ゴキブリホイホイに掛かったゴキブリをみると、ときにゴキブリホイホイの真ん中あたりで掛かっているヤツもいる。










おかしい……








ゴキブリホイホイの前の方に掛かっているならわかる。









なんで真ん中で掛かっているのだ?









真ん中までジャンプしたのか?







空中浮遊でもしたのか?









あやしい……








あやしすぎるぞゴキブリ!









オレは密かに、ゴキブリという生物は、宇宙からUFOに乗ってやってきた、宇宙生物ではないかと思っている。