地球の裏側にナマケモノという不名誉な名称をつけられた動物がいる。
1日のほとんどを木の枝にぶら下がり、手近の葉っぱを食べてくらしている。
動きがノロく、自分の体に苔が生えてくるくらいだという。
このナマケモノだが、決して彼らはナマけているわけではない。
彼らは彼らなりに必死に生きているのに違いない。
例えば、ジャガーのような天敵に襲われたとき、
「ヤ、ヤバイよ! 食べられちゃうよ! 早く逃げなきゃ逃げなきゃ!!」
なんて、必死にあせって動いているに違いないのだ。
しかし悲しきナマケモノ。
どんなにアセっても体は早く動かない。
早く動かないのではなく、早く動けないのだ。
動きがノロい。
だからヘタに動かない方が安全だ。
なるべく目立たない。
これがナマケモノの生き抜く闘争方法なのである。
ある動物は、より速く、よりパワフルに動くことで生き抜いてきた。
ナマケモノは反対の方法をとった。
絵に描いたようなスローライフである。
オレもナマケモノのように生きたいなあ。