巨椋修(おぐらおさむ)の新世界

作家・漫画家 巨椋修(おぐらおさむ)のブログ。連絡先は osaogu@yahoo.co.jp

神は実在するのか?

 いま、苫米地英人著『人はなぜ宗教にハマるのか?』という本と、佐藤優著『はじめての宗教論』と同時に読み進めている。


 苫米地氏は、天台宗の僧侶でもあり、天台宗ハワイ別院国際部長にして脳科学者。


 佐藤氏は熱心なキリスト教プロテスタント信者であり。同志社大学神学部大学院卒で、外交官時代モスクワ大学キリスト教神学を教えていたというどちらも、宗教の専門家といっていい人たちなのだ。


人はなぜ、宗教にハマるのか?

人はなぜ、宗教にハマるのか?

はじめての宗教論 右巻 見えない世界の逆襲 (生活人新書)

はじめての宗教論 右巻 見えない世界の逆襲 (生活人新書)

はじめての宗教論 左巻 ナショナリズムと神学 (NHK出版新書)

はじめての宗教論 左巻 ナショナリズムと神学 (NHK出版新書)


 これらの本で、神についての意見がそれぞれある。


 まず苫米地氏は「神とは完全なるものであり、万物を創造し、過去も未来もすべてを知る存在」だと定義した。神は全知全能であるというキリスト教の神のことだ。


 苫米地氏曰く、クルト・ゲーデルが1931年に『不完全性定理』発表、後に1980年代にこの定理が数学全般にわたって証明されたことで「神は死んでいる(全知全能的な絶対的なものはない)」ということが証明された。とのこと。


 さらにいえば、1991年数学者でありコンピューター学者でもあるグレゴリー・チャイティン『この世に完全な系はない。つまり神はいないということを証明した』といいます。


 さらに仏法僧らしきうアプリオリ(前もってわかりきったことの意)であった全知全能なる神は実在するというのを、釈迦はブラフマン(宇宙の真理・原理、バラモン教における神のようなもの)を否定した。ずべては「空(くう)」であると喝破したと。そして「神を否定したのは仏教のみ」と書いています。


 ただし、仏教の浄土教とかは阿弥陀如来という、神に限りなく近もの創作したともいっています。


 一方、キリスト教徒の佐藤優氏によると、元旧ソ連やロシアの外交官ですから、「社会主義」という宗教国家であったソ連は「戦闘的無神論者同盟」を作り、天上に神がいると信じている農民とかを飛行機に乗せて「ほら天には神などいなかっただろう」と教育していったそうです。


 そして昔の人は「神様は高いところにいる」と考えていたんだけど、コペルニクス革命によって天動説から地動説になる。すると昔は雲の上に住んでいるとか、月よりも高いところに住んでいるなんていうイメージの神が通用しなくなってくると。


 そして神はどこにいるかというと、「各人の心の中にいる」ということになったそうです。



 とにかく苫米地氏も佐藤氏も、日本を代表するといっていい知識人であり、ある意味奇人といってもいい人なのですが、仏教とキリスト教と、まったく違う宗教の専門家でありながら、共通しているところも多くあり、併読というのはなかなかおもしろいものですね。



『神がいるのかどうか』という問いに関しての個人的な感想としては、神がいると思う人はいると思えばいいし、いないと思う人はいないと思っていていい。


 ただ、そんなことで争うのはバカバカしいと思うのです。


 ぼくが思うには、「無神論」も宗教。「神は在る」と信じるのも宗教。学者が議論するのはいいとしても、それで戦争になったりケンカになったりするのはアホらしいと思うのです。


 巨椋修(おぐらおさむ)拝


わたし(巨椋修(おぐらおさむ))が監督した映画『不登校の真実〜学校に行かないことは悪いことですか? 』DVDになりました。
精神科医不登校に携わる皆さんにインタビューをしており、問題解決のヒントになれば幸いです。
TSUTAYA』のドキュメンタリーコーナーにも置かれておりますのでご覧になってください。


●巨椋修(おぐらおさむ)の著書



ビックリ!おもしろ聖書物語 (リイド文庫)

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新版 丹下左膳

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巨椋修(おぐらおさむ)は陽明門護身拳法という護身術&総合格闘技の師範をやっています。

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