曳家(ひきや)という職業をご存じであろうか?
西国では「家曳き」というらしい。
一軒の家を壊さずに移動させたり、傾いた家を正常直したりする職業であるらしい。
最近、メディアで注目されている、とある曳家さんがいる。
岡本直也さんという人だ。
岡本さんは、高知県の人であったが、2011年の東日本大震災の後、被災地であった千葉県浦安市の市長から、直々に「浦安を助けてください」という電話があり、高知から千葉の浦安に移住。液状化現象で、傾いた家を直すという作業をしていたという。
このことは、今年の7月から東京新聞で2週間に一度の割合で連載されている。
ついでにいうと、2015年8月15日現在、漫画雑誌『週刊漫画TIMES』に連載している『解体屋(こわしや)ゲン』に岡本さんは実名登場している。
(※左が私、右が岡本さん。岡本さんが持っている漫画で正面を向いている絵が、漫画化された岡本さんなのであった)
私、巨椋修(おぐらおさむ)が岡本さんと知り合ったのは2年前、友人の公認会計士が主催するランチ会でのことであった。
当時、私は家を移動するという技術や職業があるということを、まったく知らなかった。また、特に興味もなかった。
しかし、その後もランチ会で再会したり、私が主催するイベントに顔を出してくれたりして、交流は続いていたのだった。
そして今年の5月。岡本さんから
「巨椋さんは、ニートとか仕事のない人や、格闘技道場とかの若い人と知り合いが多そうなので、バイトとか探している人いませんか〜? 実は関東で家を移動する仕事が決まりそうなので、人手を探しているんですが、なかなか見つからなくて」
という連絡をいただいたである。しかし、残念ながら私の知り合いに適当な人はいない。
岡本さんの口調は、なかなか人が見つからなくて、本当に困っているという風であった。
何度か岡本さんから、そういった連絡を受け、「だったら、私でよければお手伝いに行きましょうか?」
と、売れない自由業者の気楽さでお答えしたのである。
それが、この物語の発端となるのだ。
(つづく)
巨椋修(おぐらおさむ)拝
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巨椋修(おぐらおさむ)は陽明門護身拳法という護身術&総合格闘技の師範をやっています。
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