お化け屋敷内の仕事自体はそれほど難しいものではない。ある意味単調な作業の繰り返しとさえいえるかも知れない。
そこでいろいろと《遊び》を取り入れるようにしている。
お客様がお化け屋敷内に入ってきたときに鬼の手が出てきて、あるミッションを伝えるのだが、そのとき丁寧に「お客様〜」とお声をかけさせていただくこともあれば、「まてぇいい!! まずは話しを聞けぇぇぇい!!」と、どら声でいうこともある。
本日は特別バージョン。入ってきたお客様に「ちょっとお待ちになってぇぇん、まずはあたしの話しを聞いてぇぇん」と、オカマ風にいってみた。
お客様全員に気付かれなかった!!(泣)
できればお客様に「え? なに今の声? オカマ??」と、かまって欲しかったのだ。
仕方ない、それはわたしの力不足。
そこで、我がお化け屋敷には「ベッキーに似ている」と噂されているお化けいるのだが
(実は、本人自身は全然似ていないのだが、なぜかお客様に「ベッキーに似ている」という噂がでて、本人が人間のツラの皮を被って歩いていると、街行く女子中学生あたりに「お化け屋敷のベッキーさんですよね?」と、話しかけられることがあるという)
※うん、似てないけど、確かにお客様から「ベッキーに似てる」「ベッキーが出た!」という声をよくきくのだ。
そこで「本日はベッキーに似ている一番凶暴な口裂けがいますのでご注意を!」ということもあるのだが、そういったときに「わぁ、確かにベッキーに似ている」なんていわれたことなど一度も無いのである。
ちなみにうちには、ものすごく小柄な口裂け女がいて、どうも一番悲鳴度が高いのだけど、そこでわたしが
「本日は、ちっちゃくてかわいい口裂け女がウロウロしていますからご注意を」と、いってみたりもするのだが、お客様からは爆発的な悲鳴だけで、まだ一度も「かわいい〜」という言葉は聞けていないのである。
全員が「きゃー」か「ひー」である。
また、お化け屋敷内に入っているアルバイトの大学生やボランティアさんにも、遊びをかねてなるべく「お化け役」をやってもらうようにしている。
もちろん、必要があってやっているのだが(実は最初の構想では、男お化けを入れる予定はまったくなかったのだが、現実的なシフトやローテーションの関係上、最初は仕方なく男お化けを投入、当初は嫌がって男お化けたちもいまではノリノリになって・・・(笑))、どこかに遊び心があるのは間違いない。
わたしは仕事には遊びが必要と思っている人間である。
だからこれでいーのだ!(笑)
巨椋修(おぐらおさむ)拝