巨椋修(おぐらおさむ)の新世界

作家・漫画家 巨椋修(おぐらおさむ)のブログ。連絡先は osaogu@yahoo.co.jp

オカルト陰謀論こそ最強である!


小学生時代からSF好きである。


また、ユリ・ゲラーや「後ろの百太郎」「恐怖新聞」など、第一次オカルトブーム直撃世代としては、当然オカルト好きでもある。

好きが高じて、あの「ビートたけしの(秘)Xファイル」に出演させていただいたことがあるくらいである。



そんな巨椋がたったいま読み終えた本がコレ。


原田実著『オカルト「超」入門』

歴史家の原田氏が書いた「オカルト本」は実におもしろかった!


この本は、オカルトを教養にするための本でもある。著者はいう


「オカルトについて考えるということは、一見オカルト的でない日常的事柄を含めて世界全体を考えるということである」


と……


ところがオカルトマニアのほとんどは、そんなことはできない。


オカルトマニアを傾向をひと言で言い表すとこうなる。


「彼らは簡単に見つけ、決め付ける」


そして自分たちが信じたオカルト的事柄を、疑おうとせず、都合の悪いことはすべて無視する傾向がある。


例えば、「アダムスキー型」UFOで有名なパロマ天文台“関連”で勤務していたジョージ・アダムスキー教授は、「教授」は自称で、勤務していたパロマ天文台“関連”の職場とは、天文台近くのハンバーガーショップであったが、オカルトマニアは、そのことを無視するのだ。


またテレビで有名な『FBI超能力捜査官』などというものは実在せず、本人やメディアの創作であったりするが、それも無視である。


他にも『ロズウェル事件』『宇宙人による誘拐』などなどオカルトにはいろいろあるが、ぼくがいま興味があるのが、そういった事件に遭遇する人や信じる人、喧伝する人の背後にある“何か……”である。


そこには売名目的のトリックや、エンタテインメントとしての創作もあるし、個人や集団、共同体の不安や時代背景もあるだろう。


この本によると、アメリカでUFOが流行したのは東西冷戦のときであり、ソ連の脅威が多くのUFOを生み出した可能性があるそうだ。


また『宇宙人による誘拐(エイリアン・アブダクション)』には、両親の離婚や、虐待、いじめなどと関係がある。


ちなみに臨死体験のある人の中にも、虐待経験がある人が多いそうだ。


ぼくはこのようなオカルトの裏にあるものに、関心がある。


そして、そういった人たちにとって、オカルト的なものは救いになっているのではないだろうか?


虐待やいじめ、厳しい現実からの逃避先としてのオカルトというものも、実際にはあると思う。


そうなると、オカルトは一種の擬似宗教にもなる。


宗教の極意は、盲信・狂信であるというが、オカルト信者もそれに近いところがあるかも知れない。


それを一番感じるのが『陰謀論』だ。


例えば、科学的な手法でオカルトや超常現象のトリックばバレたとしよう。


オカルト信者は、そんな『科学的』なことは信じない。


どんなに証拠を突きつけられても、ひと言こういえばいい。


「それは●●の陰謀だ!」


と……


ちなみに、あるオカルト信者によると、3・11の大震災は某国の陰謀らしいし、この前のロシアの隕石も某国の陰謀であるらしい。


オカルト的陰謀論は、すべての論理を超越する最強論なのだ。


そして、オカルト的陰謀論者の共通点として、常に被害者意識があり、オール・オア・ナッシング(ゼロかすべてか)思考があるようだ。


この被害者意識とオール・オア・ナッシング思考は、精神医学がいうところの、パーソナリティ障害者と一致するところであるが、そこらへんも興味深いと思っている。


ぼくはオカルト盲信者ではないが、オカルト肯定派である。


すべてのオカルトには“理由(わけ)”があるという意味でも肯定派である。


いろいろな意味で興味は尽きない。





巨椋修(おぐらおさむ)拝