巨椋修(おぐらおさむ)の新世界

作家・漫画家 巨椋修(おぐらおさむ)のブログ。連絡先は osaogu@yahoo.co.jp

北京料理の歴史は浅い?


食文化についての仕事をしております。



食文化というのは、調べると調べるほどよくわからなくなってくる。(笑)



ただ、ひとつわかったことは、世界の有名料理のほとんどは、意外なくらいに歴史が浅いということですね。(笑)



単純に浅いと言い切ってしまっては語弊があるかな。



しかし、フランス料理にしても、中華料理にしても、せいぜいここ100〜150年ほどに作られた料理を、伝統料理だと思って、我々が食べている場合が多いんです。



例えば、中国四千年の歴史を誇る中華料理、その代表格の北京料理が、現代のような味付けになったのは、ここ約50〜60年のことだったりします。

それまでの北京の料理は、脂ぎったコテコテ料理だったんです。

北京は多くの王朝があって、宮廷料理の影響もあったのであろうけど、どうもこれが実態らしい。


毛沢東中国共産党が、大陸を支配するようになったとき、北京の料理屋『豊沢園飯庄(ほうたくえんはんしょう)』が、海外からの賓客に料理を出すようになったことにはじまるの。


この店は、元々、山東省の田舎料理の店だったんですが、いつの頃からか、あっさりした新作料理を出すようになったんですな。

で、みんなこの店の真似をして、あっさりした料理を出すようになった。


これが北京料理のはじまりです。



唐辛子をふんだんにつかった四川料理も有名だけど、唐辛子が中国に伝わったのは、16世紀。料理に使うようになったのは18世紀から19世紀。

四川料理のように多用するようになったのは、19世紀から20世紀であろうと思われます。


韓国のキムチもしかり。

キムチに唐辛子を大量に使うようになったのも、19世紀くらいから。

もしかしたら、20世紀に入ってからかも知れない。


フランス料理が、いまのように一人前ずつ小皿にのせて運んでくるようなサービスを行うようになったのも、19世紀くらいから。



歴史のある有名料理なんていっても、その歴史は以外と浅いと言えそうですね。