巨椋修(おぐらおさむ)の新世界

作家・漫画家 巨椋修(おぐらおさむ)のブログ。連絡先は osaogu@yahoo.co.jp

ピラミッドパワーとエコロジー

いま、昭和時代に流行っていた漫画を読んでいたのだよ。

いわゆる心霊漫画とかいうジャンルのもので、いま読んでみると




すごく痛いんです。(笑)




いま読んでいた箇所では「ピラミッド・パワー」が出てくるんですけど、プラスチックのピラミッドの模型の中に、生肉を20日入れていても、腐らないとか、使い古したカミソリの切れ味が戻るとか描いてるの。


生肉に関しては、ピラミッド・パワーとかは関係なくて、腐るかどうかが問題でね。

普通ぼくたちが食べている肉だって、新鮮な肉なんて売られてないんですよ。

牛なら死後20〜30日くらいが食べごろで、豚なら10日くらいが食べごろなのね。

簡単にいえば、獣肉は新鮮なものは、死後硬直を起こしてかたくて、食べられたものじゃないということです。

これを“肉の熟成”というのだけど、まあわかりやすくいうと、肉は腐りかけがうまいってことね。

魚なんかもそうで、釣って1時間もすると死後硬直が起こって、かたくなってきます。

それをプリプリした新鮮な歯ごたえと喜ぶ人もいるけど、歯ごたえじゃなくて味を楽しむグルメの人なら、死後硬直が解けたくらいが喜ばれます。


話しがそれたけど、ピラミッドの模型に肉を入れたら特別に長持ちするなんてことは、実際にはないし、カミソリの切れ味が良くなるなんてことはありえない。


もしあったら、とっくにエコ製品として商品化されてますって。


もっとも、マイナスイオンとか、波動水とか、エコ商品というのは、まったく効果がないのに売れていたりするので、ピラミッドの形の商品を作れば売れるかも知れませんね。(笑)


いま空前のエコブームで、一部ではエコバブルなんて言われてるのね。

エコ、エコって言っていれば、モノが売れるから、業者もどんな公害を出しても、エコ商品を作って売るわけよ。

屋根につけているソーラーシステムなんて、地球にやさしいとか、電気代が安くなるなんていっているけど、それを作るためにH2Oをどれだけ使うかとかを考えるとまったくエコじゃないし、高い商品で元を取るのに何十年もかかる。

何十年もかかっているうちに絶対老朽化して買い替えたり修理をしたりして、ものすごくコストがかかる。

結局、高くて地球に優しくないものをエコと称して売ったり買ったりしているわけなのね。(苦笑)


いまみんながスーパーでの買い物なんかに使っているエコバックなんかが典型で、エコバックを一個作るために、これまで使っていたスーパーの袋が何百枚も作れるのね。

本来、スーパーのビニール袋は、石油カスを使ってつくる本当の意味でのエコ商品だったのよ。

ところがエコの名目でもっと作るのにもっと公害を出し、しかも何百倍も高価なエコバックを売るようになったと。

スーパーの袋は元々、無料で配れるくらいのものだったんだけど、エコの名目で、一袋5円とか6円とかで客に買わせるシステムにしたと。


すばらしきかなエコビジネス。


ピラミッド・パワーを利用した商品が作られなかったのは、たぶんピラミッドに保存作用があるなんていうものを、売ったら食中毒者がいっぱい出て、大変なことになるからだろうなあ。