普通の人っていうのは、人の顔を殴るということにすごく躊躇や罪悪感を覚えるものでね。だから初心者の人って、普通いきなり人の顔を思いっきり叩けないの。
変な話しをすると、ケンカのときに素人は顔じゃなくて胸を殴ったり(だから顔への打撃を警戒している格闘技経験者はその打撃を胸にもらってしまう(笑))、あるいは顔を殴っても全力を出せなかったり、一発なぐって様子を見てしまうものなの。
だから打撃系格闘技では、少しずつその躊躇や罪悪感を取るようするのね。
心おきなく全力で顔を殴る。それも連打で、例え相手が倒れていたとしても。
それでも、相手を殺さないように必要以上な大けがをさせないように攻撃します。
本当は攻撃せずに、争わずに修めるようにするのが理想なんですけどね。
犯罪学を研究していると、人を殺してしまうのは、圧倒的多数が素人です。格闘技者や武道家は人を殺すことはほとんどありません。せいぜい腕とか足を折る程度でね。格闘技者でそれをやってしまうのは、名前だけで格闘技者とか武道家を名乗っていて、実は大したことないかサイコパスの人が武道格闘技をやってしまった人なんじゃないかな。
(陽明門護身拳法)
ぼくたち武道家や格闘技者は、人殺しの技も練習をします。
しかし当たり前だけど、殺しはしません。
格闘技はルールあるスポーツだとして、武道は暴力のストッパーをコントロールすることだと思うんです。
それができない人は格闘技者(スポーツマン)でも武道家でもないと思いますね。
巨椋修(おぐらおさむ)拝