バブル景気とは1986年(昭和61年)12月から1991年(平成3年)の超好景気のことですが、この時期にちょっとおもしろい漫画表現をした作品があります。
その91年から93年の間をバブル崩壊といいます。その93年に発売された『YAWARA!』という作品中、就職活動中の学生が
「しっかし不景気だよなあ」
というセリフが出てくるシーンがあります。
バブル崩壊後の景気が悪い時代であり、就職氷河期がはじまった年と言われている93年ですが、その後の大学新卒内定率を調べてみると、その後の10年間に、就職活動をした新卒者に
「甘いよ、93年ってまだまだバブルの余韻があって、我々の時代より全然マシだったじゃん」
なんていわれても仕方ないかも知れません。
(引用;http://finalrich.com/guide/30/guide30-condition-ice-employ-time.html)
ともあれバブル崩壊後、日本は不景気におちいります。それは、何もない状態からの不景気ではなく、栄華を極めた後の不景気なだけに、日本人の元気をなくす原因となったように思います。
漫画は架空の世界なのですが、バブル崩壊後、漫画の世界も内向きになっているように思えるのです。
例えば、89年に連載開始されいまも続いているボクシング漫画『はじめの一歩』は連載から15年たった現在でも、いまだに世界チャンピオンになれていません。
95年から13年まで連載されていた、しげの秀一の『頭文字D』は、峠道を攻める走り屋ですが、F1といった世界一を目指しているわけではありません。
05年からはじまった戦国武将ものである『へうげもの』は、主人公が武将であるにもかかわらず、天下を狙うわけでもなく陶芸などの趣味に走る男の物語です。
昭和時代の不良漫画では、ケンカで名をあげ日本統一といった物語がありましたが、そういった上を目指す不良の漫画はメッキリ減ってしまいました。
景気が悪くなると流行るのがオカルトですが、70年代と違って、2000年代になると「超能力ファンタジー」が流行っているようです。
景気と漫画を独断と偏見で語ってみましたが、何事も見かたを変えると面白いものですね。
あ、繰り返しますが、これらはあくまでわたしの独断と偏見ですから(笑)。
巨椋修(おぐらおさむ)拝