その夜、わたしはとある女性とともに、とある「それ用」のホテルに入室いたしました。
わたしは冷蔵庫に直行し、ビールを取り出そうとした、そのときのことです。
わたしは冷蔵庫の奥、ビールやウーロン茶の影に隠れている何か異形の物を発見してしまったのです。
わたしは、考古学者が恐竜の化石を掘り起こすような慎重さでその異形の物をとりだしました。
と……
それは、なんと
コンドームを被せた新鮮なバナナだったのです。
(バナナは皮をむいた状態であり、まだ使用された後はありませんでした)
はたしてこれは、誰が何のために、ホテルの冷蔵庫にしまってあるのしょうか?
わたしは女性とともに、バナナコンドームを前にいろいろと推理しました。
これはもしかしたらホテルのサービス?
前の客が、これを使おうとして忘れていった?
おそらく推理?がもっとも有効な推理といえるでしょう。
しかしその昔、敏腕探偵といわれたわたしは、まったく別のおそろしい推理が頭を横切りました。
このバナナコンドームを置いていったのが、誰であれもし悪意があったとしたら……
例えば、このバナナコンドームの中身に、針やカミソリのようなものが仕込んであったとしたら……
ひいいいいいい〜
(梅図かずお風の恐怖顔で)
みなさん、拾い喰いはよくありありませんよ。
そして、決してホテルの冷蔵庫にバナナを被せたコンドームが、置いてあっても使ってはいけませんよ。
巨椋修(おぐらおさむ)