河合幹雄さんという犯罪学者がいます。
この方のブログより、ちょっと抜粋させていただきましょう。
「 日本の治安が良いというのには、ウソと本当が混在する。大災害直後、略奪や強姦が多発する騒乱状態が発生しないことは本当であるが、詐欺と泥棒は多発する。後者は、混乱で気づかないだけである。」
「警察力というのは信じられていることが最も大切なのである。」
「性犯罪については、直後の強姦事件多発は起きないが、今頃から気をつけないといけない。」
ぼくもそう思う。
被災地において、震災直後は張り詰めていて、殺人、強盗、強姦といった凶悪犯罪等は起こりにくい。
しかし、少し時間がたってくると、まずお金は物資の盗みは起こるであろうし、物資や食料が回ってこなければ、盗みたくない人でも盗むでありましょう。
また、盗んだほうが得と考える人も出てくることでしょう。
平常時でも犯罪者はいるのです。
増して非常時においては、普段犯罪とは無関係の人も罪を犯してしまうことが起きてくる。
被災地で犯罪が増えてくるのはこれからだと思います。
大変なときだからこそ気をつけてほしいものです。
以下は、河合幹雄さんのブログ記事です
↓
2011年3月22日 (火)
災害後の治安 一般の被災者のための話
日本の治安が良いというのには、ウソと本当が混在する。大災害直後、略奪や強姦が多発する騒乱状態が発生しないことは本当であるが、詐欺と泥棒は多発する。後者は、混乱で気づかないだけである。
犯罪の理解は、犯罪者側から眺めればよくわかる。義捐金を集めていると言えば、お金を簡単に騙し取れるおいしい時に、誰が苦労と危険を犯して盗むものか。ましてや、強盗などしない。
略奪しないことは、こう考えると面白い。大災害のときは、皆が助け合うべきだという強い規範を我々は共有している。派手な略奪をすれば、事態が落ち着いたあかつきには、強い執念で捜査がなされ厳しく罰される。これは怖い。
警察力というのは信じられていることが最も大切なのである。
性犯罪については、直後の強姦事件多発は起きないが、今頃から気をつけないといけない。意外に避難所内の片隅などで被害に遭うこともあると思う。実証されてないが、性風俗店が閉まってしまい、避難所に、性的ニーズに応える工夫はないことが一因であろう。飲み物、食べ物、医療品、衛生と避難所にいろいろそろってくるが、性は常に考察から抜けおちる。プライバシーのない生活によるストレスという中に含まれているのだが、そのことが理解されていないことが多い。