巨椋修(おぐらおさむ)の新世界

作家・漫画家 巨椋修(おぐらおさむ)のブログ。連絡先は osaogu@yahoo.co.jp

大地震によるデマその3「デマは心の闇が浮き彫りになる」



震災のような災害が起こると、必ずといって出てくるデマ。

 大正12年に起こった関東大震災のときは、「朝鮮人が井戸に毒を入れ、暴徒化している」とか「朝鮮人が略奪、強姦、放火をしている」というデマがあらわれた。


 


 もちろんこれは事実ではなかったのだが、皮肉なことにその出どころがデマをおさえる側の警察であり、そのデマを鵜呑みにしてしまった新聞記者が記事にしたため、一気に広がってしまったというものだ。

 結果、正確な人数はわからないが数百人から数千人の朝鮮人、そして朝鮮人と間違われた中国人、言葉がうまく喋れない聾唖者、あるいは方言のある地方出身者が、暴徒から人々を守るはずの「自警団」から虐殺されてしまうという悲劇を生んだ。


 大震災における朝鮮人虐殺は、普段は隠されている民族差別という“闇”を浮き彫りにさせるカタチとなった。これは、決して現在も消えたわけではない。


 平成7年に起こった阪神淡路大震災のときも、関東大震災のときとまったく同じ「朝鮮人が略奪、強姦、放火をしている」というデマが走った。


 そして今回の大地震のときも、やはりまったく同じデマが出てきたのである。大正時代の関東大震災との違いは、このデマを真に受けて外国人を大量殺害するような人々が出なかったということだ。


日本人の民度がそれだけ高くなっていると思いたいが、その後も一部ではあるが、ヘイト発言を繰り返すもの、何かあるたびに「在日が〜」「あいつはチョン」といった発言をネットに書き込むものが絶えないことを見ると、それほど民度が上がっているとはいえないのかも知れない。


●善意からデマが拡散することもある!

 また、関東大震災阪神淡路大震災のときとの違いは、被害が大きかった宮城や福島といったところではなく、ほとんど被害のない東京などで、ツイッター等のネットからデマ情報が発信されたことであろう。


 このデマがツイッター等において【拡散希望】という名目でリツイートされ、それを読んだ、あまり物事を疑わない人たちが信じ込み、デマの拡散を手伝ってしまったことも現在社会を現している。


 そしてこれらリツイートした人々の中には【善意】から、こういったデマを広げてしまった人がたくさんいるのだ。


 しかもこのことについて、誰かが注意をした場合、「万が一本当にあったらどうするんだ!? 用心するに越したことはない!」という感情的な言葉が帰ってきて、人間関係までこじれてくることがある。

 これは何も犯罪についてだけではない。

 今回の地震は、原子力発電所が壊れ放射線という目に見えないモノが漏れ出すという事故も、同時に起こっている。

 当初は、福島原発と千葉の製油所火災がゴッチャになり、
 

「千葉の製油所から出ている煙に猛毒の化学物質が入ってます。これから猛毒の雨が降るから、外出のときは傘とレインコートを着用してください!」


 というチェーンメールが飛び交った。


 放射線に関しては、この時点ではあまり問題なく、また、よくわからなかったこともあり「猛毒の化学物質」という表現になったのであろう。

 これもどのような人が、チェーンメールを回したかというと、“善意の人”である。


 あのとき人々の注目が原発に向かうと、地震の被害を受けていない東京をはじめとする関東の人々が、関西や九州などに避難していった。

 中には、東京や関東を離れていった人を悪く言う人もいるが、政府・行政がまだ何も言っていないこの時期に避難するかしないかは、その人の思いや考え方次第なので、他者が文句を言う筋合いはない。


 というのも、平常時においてならデマの裏を取ったりすることもできるが、緊急時において裏を取ったり確かめたりする時間がなく、反射的に動いた人が助かるという例もたくさんあるのだ。


 例えば「津波が来る!」という情報についてデマかそうでないかを確認しているうちに、逃げ遅れてしまった人もいたかも知れない。

 この場合、「津波が来る!」という情報を信じて、取る物も取らずに逃げ出した人が生き残ったわけである。


 よって情報については、次のことがいえる。

 平常時においては、政府や専門家、企業から出る情報を鵜呑みにするのではなく、いつも監視し疑っておくべきであろう。

 そして非常時・緊急時においては、政府や企業、専門家の言うことに従ったほうがいい。何かが起こってから疑っていると、逃げ遅れてしまったり手遅れになってしまうからである。


 ただ、今回は残念なことに、政府も原発を扱う企業も、過去に隠蔽(いんぺい)やゴマカシをやり続けてきたキャリアがあり、市民は政府も原発も信用などしていないし、いまさら(信用など)できないという状況になってしまっている。
 

 第二次大戦のときの「大本営発表」を鵜呑みにする人があまりいなかったがごとくである。

 これからもいろいろなデマ・流言・虚言が飛び交うことであろう。

 そういったデマが飛び交ったとしたら、ちゃんと情報を整理して惑わされないように、不安に囚われないようにしたいものだ。


 デマは心の闇や不安を写すものであるからこそ、人間は闇をうまくコントロールしていかなくてはならないのだから。





巨椋修(おぐらおさむ)拝





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巨椋修(おぐらおさむ)は陽明門護身拳法という護身術&総合格闘技の師範をやっています。

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