巨椋修(おぐらおさむ)の新世界

作家・漫画家 巨椋修(おぐらおさむ)のブログ。連絡先は osaogu@yahoo.co.jp

ぼくが宇宙人にさらわれたときの思い出

あまり人に言ったことはないんですけど、実はぼく、昔、宇宙人にさらわれたことがあるんです。


気がついたら、どこかの星でした。


なんでも、その星では地球人は、極めて珍しい珍獣でして、宇宙的には、地球人というのは、絶滅危惧種らしいんですね。


で、ぼくは、その星の動物園に収容されたんです。


なんといっても、珍獣ですから、その星では、凄い話題だったみたいですよ。


ガラス張りの檻に入れられていたんですが、もう毎日毎日、凄い見物人がきて長い行列が出来ていました。


え?


ぼくはもちろん、全裸ですよ。


檻の中ってのは、退屈なんです。


ブランコやタイヤとかが、あって、ぼくが退屈しのぎに、ブランコに乗ったり、タイヤで遊んだら、もう見物人は、「キャーキャー」騒いで、もの凄いカメラのフラッシュでしたね。


そんなこんなで、半年もしたら、どうもぼくにも、お嫁さんが必要とか言い出したらしくてね。


やっぱり地球のどっかから捕獲してきたらしい、メスを連れてきたんです。


それがねえ、美人だったらいいんですけど








ババアなうえに、えらいブサイクで……





参りましたよ。



どこの国から連れてきたのか、日本語は全然通じないしね。



いくらなんでも、その気なんて起きませんって。


ぼくにその気が、起きないものですから、その星のマスコミは


「地球人の交配は難しい」

とか、ニュースでやってたらしいですよ。


見物にきた、その星の幼稚園児たちは、大声で


「がんばって〜、はやく結婚して〜」


なんて、言ってるし。


偉い学者なんかは、


「メスの方が高齢なので、はやく交配しないと、この星から地球人は絶滅する!」


なんて心配してるし……


そのうち、その星の動物愛護団体が、


「地球人は、地球で生活するのが一番だ」


なんて社会運動をして、まあどこの星にも、グリーンピースみたいな過激派がいて、夜中に檻を破って、ぼくを地球に送り返してくれたんです。



あ、これってここだけの話しにしてくださいね。


変な人と思われたくないですから。