人間には攻撃欲というものがある。
実際、高等生物で人間ほど同種である人間を殺すことを好む生き物はいないのではないだろうか?
人間の脳には、攻撃本能を旺盛にする男性ホルモンと、抑制するセロトニンという脳内物質とで、うまくバランスをとっているそうで、バランスが崩れてしまうと闘うときに闘えず、そして過剰に攻撃をして殺してしまったりもするそうだ。
「人間がケンカをするのは、ケンカをしたとき人殺しをしないためである」という文章を書いた医者がいたが、適度に攻撃本能を発散させ、同時に抑制させることを学ぶということなのかもしれない。
そういうと「最近の若者はケンカの仕方がわかっていない」と、ふんぞり返るバカオヤジがいるが、戦後に比べて少年による殺人事件は激減している。
満員電車でケンカにおいて、もっともキケンな年代は40代50代のオッサン連中でなのだ。
さて、人が何かを攻撃すると“一種の快感”が生まれることは知られている。
これには理由がふたつあって、ひとつは激しい運動をすることで、鬱屈した精神と肉体が解放されるための快感。
いまひとつは、暴力的快感と性的快感は、出所が同じであるためなのである。
つまりセックスをしているときと、暴力をふるっているときは、脳の同じ部分が興奮しているそうなのだ。
だからオレは、やたら攻撃的なヤツを見かけると
このドズケベ野郎がっ!!
と、決めつけることにしているのだ。
巨椋修(おぐらおさむ)拝