巨椋修(おぐらおさむ)の新世界

作家・漫画家 巨椋修(おぐらおさむ)のブログ。連絡先は osaogu@yahoo.co.jp

エセ正義の味方たちの主張


いつの世にも「エセ正義の味方」は絶えない。

彼らは、多くの場合、自らの欲求不満やストレスを、正義の名を借りて発散させようとする。

その多くは、心理的・精神的に。神経症的なゆがみや不満、コンプレックスを持ち、他者を正義のを名を借りて攻撃する。

例えば、近年でいえば、韓国や朝鮮、中国という言葉に対して、考えもせず脊髄反射的に攻撃する人などははその典型である。

彼らは自分がどれくらい醜い言動をしているかということ客観的に判断する能力すら失ってしまっているのだ。


他にも健康や市民活動、動物愛護といった「正義の御旗」を立てて攻撃欲を撒き散らしている人たちも多い。

今回は、健康という正義を武器にしている「健康ファシスト」について述べてみよう。


近年、「禁煙ファシスト」が横行している。

嫌煙活動や禁煙活動は、煙が嫌いな人もいるし、確かに健康にはよくないであろうし、受動喫煙なんてのもあるゆえ、嫌煙活動・禁煙活動はいいと思う。

どんな意見でも、主張してはダメだというほうがおかしいのだ。

しかし、度を超すと喫煙者の人格まで攻撃したり、バカにしたり、あげくのはては「あなたはどれだけの毒を周囲の撒き散らしているのかご存知なのですか!?」と、金切り声まであげたりする。

その人にとって、喫煙者は哀れで軽蔑すべき人であり、煙草屋やJTは麻薬密売者と変わらないというスタンスだ。


ドイツでは「喫煙者1人平均で5分の休憩を1日3回取り、年間2千ユーロ(約19万9千円)以上の損失を企業に与えている」との試算が公表された。

これに対して日本の禁煙ファシストたちは、鬼の首をとったような喜びようである。

バカかと思う。

その分、自分たちも休憩を要求すればいいだけのことではないか。この論が通れば、煙草をすっていなくても、仕事中にお菓子をつまむ人がいたとしたら、仕事中にお菓子をつまむのは年間●●円の損失などと、経営者側にいわれ、労働者はますます窮屈になるのは必定なのだが、彼らにはそれを理解する能力が欠けているらしい。


どうせなら、非・喫煙者は煙草を吸わない代わりに19万9千円の給与アップを要求すればよろしい。

もちろん、彼らはそれだけの成果をあげているはずなのだから、エンリョはすることはない。

ちなみに休憩時間でもないのにお菓子を食べていれば、その分、減給になることも覚悟しておいてほしい。

でも、そんなキツキツの状態で仕事をしたいのかね? 



アメリカでは、さらに肥満者に対する軽蔑や差別がある。
肥満しているというだけで、自己管理能力がないとみなされるのだ。その人がもって生まれた体質などおかまいなしである。


昨日の読売新聞によると、厚生労働省が「飲み過ぎは4兆円の損…たばこといい勝負?」と、報道した。

日本における煙草による社会的損失は5〜7兆円あり、お酒の社会的損失は4兆円にプラス交通事故などを含めると煙草とほぼ同じになるという。

しかし、現実にはお酒の方がはるかに害は大きくて、傷害や殺人の犯人の多くはお酒を飲んでいたりする。

家庭内暴力とお酒の関係も深く、うつ病など精神疾患との関係も深いことなどを考えれば、たばこの倍以上の損失をお酒が与えていることは、間違いないだろう。


また、最近アメリカでは「砂糖はたばこ・酒と同じ「毒」」として、米国の小児科医たちが、砂糖に対して酒や煙草と同じように税金をかけろという意見を出した。


つまり文句をいうヤツは何にでも文句をいうのである。


そのうち、米やパンは「でんぷんの過剰摂取に繋がるので、米やパンには税金をつけましょう!」

お菓子には「3時のおやつは労働時間の無駄に過ごしています。おやつを食べる人は、怠け者で社会の落伍者だ!」

なんていう“正義の市民団体”がいっぱい出てきそうな勢いである。


さらに、これらの意見は“正義”なわけだから、当然、国民の健康と国民の利益を考えるお上は、

「たしかにその通りなので、みなさまの為にこれらのものを食べたりする人を法律で規制するか、税金を上げましょう!」

なんていい出すに違いない。


でも、お上や正義の市民団体は、損失とかにすごく敏感だけど、得をすること、つまり楽しいとか、おいしいとか、落ち着くとか、などが大切という発想はあまりないようだ。


たとえ、酒や煙草、砂糖に害があるとしても、それに匹敵するだけの“楽しさ”や“お得”あり、我々は損失以上に、これらのもので、損失をはるかにしのぐ利益を享受しているのだ!


少なくとも、そんな楽しみのない、杓子定規な、無味乾燥な世の中にわたしは住みたくない。


もしかしたら彼らは、一方的に正義を主張する人たちは、苦しさに敏感で楽しさを追求する能力に欠けているのかもしれない。

あるいは、敵を作ることで自分の身を守っているつもりなのであろう。


最後に、ネットに落ちていた「正義の味方の特徴・悪玉の特徴」を挙げておこう。

わたしは断然、悪玉派です。


正義の味方の特徴
1 自分自身の具体的な目標をもたない
2 相手の夢を阻止するのが生きがい
3 単独〜小人数で行動
4 常になにかが起こってから行動
5 受け身の姿勢
6 いつも怒っている


悪玉の特徴
1 大きな夢、野望を抱いている
2 目標達成のため、研究開発を怠らない
3 日々努力を重ね、夢に向かって手を尽している
4 失敗してもへこたれない
5 組織で行動する
6 よく笑う



巨椋修(おぐらおさむ)拝