むかし、気で相手を飛ばす武術というのが、マスコミで持てはやされた時代がありましてね。
こう、相手に触れもせず、こう手をひょいひょいってやると、相手が吹っ飛ぶんですわ。
「ハッ!」
なんてやると、敵が後ろ向きに走っていくようなヤツもありました。
当時、ぼくは月刊「フルコンタクトカラテ」という雑誌にイラストを描いたり、「実戦!ケンカ空手家烈伝」なんて小説を書いていた時代でしたから、大いに興味があったものです。
月刊「フルコンタクトカラテ」の編集長が、「アレはヤラセだ!」みたいな記事を書いて暴露したりね。(笑)
楽しい時代でした。
あの頃、ミュージシャンの大槻ケンヂ氏が空手の試合に出るというので、何回か一緒に練習をしていたことがあるのです。
彼の試合のセコンドとかしたりして。
(実戦カラテの試合で、大槻氏は勝ちましたよ。大したもんです)
で、練習をしているときに彼に聞いたんですよ。
「気で飛ばす武術をどう思いますか?」
すると、彼はそういうのが大好きな人間でして、一言。
「早稲田大学の大槻教授(同じ大槻なんですけど、別人で火の玉を科学的に解明した物理学者)は、本当に“気”で人が飛ぶのであれば、台車に人を乗せて、気の術をかければいいと言ってました。
気に物理的なパワーがあれば、台車ごと動くというわけです。
ぼくもそう思いますよ」
と、言うことでした。
そういえば、某薬科大学の物理学教授と飲んでいるとき、目の前で「超能力者のキヨタくん」がパフォーマンスをやっていたんです。
意見を聞けば、「ぼくも早大の大槻教授と同じ意見になりますね」と笑っておられましたねえ。
(つまりトリックだということなんでしょうね、キヨタくんはこの前、麻薬で捕まってしまいましたが……)
まあ、ぼくに言わせれば、そういった【気で相手を吹っ飛ばず武道】をやっている人の証明は実に簡単で、市民相撲大会にでも出場すればいいだけのことです。
しかし、ぼくの知る限り、そうした人はいませんね。(苦笑)
でも、気の使い手がいないわけではありません。
実際に、よく気が利く人や、【気を使う】人がいますからね。(笑)
もうぼくは、「気がつかない人」ですから。
「気が違っている人」かも知れない。
ああ、ぼくも人に気が使える人になりたい。
でも気疲れはしたくない。
気の休まる時間が欲しい。
気持ちいいことがしたい。
と、いうことで、いまだに締め切り前の漫画が終わっていません。
締め切りに遅れてしまいました。
気にしない
気にしない。
って気にしろよ!
今日中に仕上げます。