巨椋修(おぐらおさむ)の新世界

作家・漫画家 巨椋修(おぐらおさむ)のブログ。連絡先は osaogu@yahoo.co.jp

誰がタヌキを殺したか?


♪しょ、しょ、しょじょ寺、しょじょ寺の庭は〜♪


で、有名な証城寺のたぬきばやしというお話しがありますな。




そこの洟垂れのガキ!

決して、バージン・テンプル(処女寺)ではないからな!

証城寺だからな!


そこんとこよろよろ。




このストーリーは、寺で寝ていた住職さんがある日、目を覚ますと、庭でタヌキが100匹ばかり、腹を太鼓にして歌い踊っておったそうな。


あまりにも楽しそうだったので、住職も夢中になり、タヌキの踊りに交じって歌い踊ったそうな。


タヌキとはいえ、肉食獣である。


この住職さん、少々軽薄なところがあったのかもしれない。


しかし、そこはタヌキ。


気にせずに、一緒の歌い踊ったそうな。

やがてタヌキどもと住職さんとのジャムセッションになり、競争になったそうな。


そんな夜が3日続き、4日目になると、タヌキは寺にやってこなかったそうな。

住職さんは、ずっと待っていたそうな。


次の朝、住職さんが庭に出てみると、タヌキのリーダーであろう大ダヌキの太鼓腹が破れて死んでおったそうな。



まあこんなストーリーである。


さて、いったいこの死んだタヌキに何があったのであろう!?



タヌキと競走になったというから、住職さんと競ったタヌキが、負けじとばかり自分の腹を叩き、叩き破って死亡したというのが、一般的解釈である。





しかし!





4日目の夜、住職さんはタヌキの狸囃しを聞いていないのである。


住職さんは、その夜も、『待っていた』のである。


もし、庭でタヌキが自らの腹を破るほど叩いたとしたら、当然住職さんは気が付いたはずである。


すなわち、このタヌキは、他の場所で死んだ可能性が高い。



ではなぜ、このタヌキは、お寺の庭に死んでいたのか?


一番考えられるのは、他のタヌキが、庭に放り込んだということが考えられる。


つまりタヌキ同士による



















コロシ


















の可能性があるのだ。


おそらく、ジャムセッションではタヌキ側が、やや負けていたのであろう。


そこでリーダー的存在であった大ダヌキが、仲間のリンチを受け、腹を破られたのではないか?


責任をとっての自殺という線も考えられるが、それならば、庭に死体を置いておくということはあるまい。


おそろしや、おそろしや……