本日、いつものように格闘技の練習を終え、昼間からシャワーを浴びてベランダに出た。
好天である。
春の日差しがほどよく暖かく、風には湿気が少なく気持ちがいい。
わたしのベランダからは、下に畑が見える。
畑の横に八重桜が咲いている。
散り際なのであろう。
桜の花びらが、ハラハラと舞い、畑の上にはモンシロチョウが数匹、戯れるように飛んでいる。
春なのだ。
いま、新しい命が芽生え、息吹き、いまさに命が溢れている。
言い方を代えれば
壮絶な殺し合いのシーズンがはじまっているのだ!
この地球には、命が溢れている。
溢れ出した命は、互いに喰らい合って我が命を次世代へと繋ぐのである。
大きな命は、小さな命を喰らい
もっと小さな命は、大きな命に寄生して喰らって生きている。
これは草食獣も、植物も同じなのだ。
この星に生まれたすべての生きとし生けるものは、他の命を奪うことによってのみ生きることができ、命を次世代に繋ぐことができる。
生まれた命に平穏はなく、また殺し合い、奪い合いがはじまるのだ。
その戦いは、永遠に続くのである。
そういった世界をなんというか知っているかね?
地獄というのだよ。
そしてそこの住人は、修羅であり悪鬼羅刹であり、亡者と言われるのだ。
え?
そんな世界はイヤだって?
極楽浄土や天国、桃源郷にいきたいって?
ばかめ、極楽浄土や天国、桃源郷を絵にしてみたまえ。
そこは、春のようなところだろう。
春とは殺し合いのシーズンと言ったばかりじゃないか。
地獄の住人には、殺し合いの姿が美しく見えるのだ。
春が美しいように
遠くでみる戦場が、花火のように美しいように。
どうやら、この命溢るる星に生まれた限り、我々は永遠に殺し合い、奪い合いの地獄世界の住人なのだ。
そして、もしかしたら、唯一の救いは、永遠なる静寂、永遠なる無の世界かも知れない。
もし、あの世に天国がなければ、あなたはやがて救われるかも知れない。