巨椋修(おぐらおさむ)の新世界

作家・漫画家 巨椋修(おぐらおさむ)のブログ。連絡先は osaogu@yahoo.co.jp

命溢るる星




本日、いつものように格闘技の練習を終え、昼間からシャワーを浴びてベランダに出た。

好天である。

春の日差しがほどよく暖かく、風には湿気が少なく気持ちがいい。

わたしのベランダからは、下に畑が見える。

畑の横に八重桜が咲いている。

散り際なのであろう。

桜の花びらが、ハラハラと舞い、畑の上にはモンシロチョウが数匹、戯れるように飛んでいる。




春なのだ。




いま、新しい命が芽生え、息吹き、いまさに命が溢れている。


言い方を代えれば







壮絶な殺し合いのシーズンがはじまっているのだ!






この地球には、命が溢れている。



溢れ出した命は、互いに喰らい合って我が命を次世代へと繋ぐのである。








大きな命は、小さな命を喰らい



もっと小さな命は、大きな命に寄生して喰らって生きている。










これは草食獣も、植物も同じなのだ。


この星に生まれたすべての生きとし生けるものは、他の命を奪うことによってのみ生きることができ、命を次世代に繋ぐことができる。


生まれた命に平穏はなく、また殺し合い、奪い合いがはじまるのだ。


その戦いは、永遠に続くのである。


そういった世界をなんというか知っているかね?






地獄というのだよ。







そしてそこの住人は、修羅であり悪鬼羅刹であり、亡者と言われるのだ。






え?


そんな世界はイヤだって?


極楽浄土や天国、桃源郷にいきたいって?



ばかめ、極楽浄土や天国、桃源郷を絵にしてみたまえ。


そこは、春のようなところだろう。




春とは殺し合いのシーズンと言ったばかりじゃないか。





地獄の住人には、殺し合いの姿が美しく見えるのだ。


春が美しいように


遠くでみる戦場が、花火のように美しいように。



どうやら、この命溢るる星に生まれた限り、我々は永遠に殺し合い、奪い合いの地獄世界の住人なのだ。



そして、もしかしたら、唯一の救いは、永遠なる静寂、永遠なる無の世界かも知れない。







もし、あの世に天国がなければ、あなたはやがて救われるかも知れない。