この前、ある女性と話をしていてエロマンガの話しになりました。
「オグラさんはエロマンガなんか読みませんよねぇ」
いいえ、いいえ、わたくし読まないどころか、エロマンガを描いたことがございます。
もうずいぶん昔のお話でございます。わたくしが八王子に住んでいたころ、エロマンガの仕事を受けましたさ。
シメキリにやや遅れながら、わたくしはなんとか一本を描き上げました。
しかし時間がありません。わたくしは原稿用紙を抱えて、電車に飛び乗りました。
わたくしはアセっておりました、少しでも早く原稿と出版社に届けたいと思っておりました。
電車が新宿に着きました。
わたくしは駅の地下通路を走るべく、原稿の入った茶封筒を持ち直しました。
とのとき……
うかつにも茶封筒のフタが下になってしまったのでございます。
アセっていたわたくしは、フタをセロテープ等でとめるなどということは、しておりませんでした。
当然……
中にあった16枚の原稿は、するりと全部、外へ落ちてしまいました。
そして見事に16枚がバラバラに……
ちかくの親切そうなオバサンが「まぁ大変」といって拾ってくれようとしました。
でも中身はエロマンガ
オバサンは
「まあ!」
と、言って手を引っ込めました。
だって中身は「エロマンガ」
ほろ苦い……
青春の想い出でございます。