人は生きている限り、信じられないよう出来事を目撃することがある。
あの出来事を目撃したのは、オレが20歳くらいの頃だったかなぁ、そのころオレは後輩3・4人を集めて、新築住宅の“洗い”の仕事を請け負っていたのだよ。
“洗い”というのは、建物を新築するとき、どうしても壁や柱に「しっくい」や「ペンキ」などといった汚れがつくでしょ。
それを最後の仕上げとしてキレイにする仕事ね。
オレは前日に親方から仕事の現場を教えてもらい、朝になると後輩を車で拾って、現場に向かうという毎日だったんだ。
その日も、オレは後輩を車に積んで、現場への道を急いでた。
と、オレたちが乗る車の前を、一台のバキュームカーが走っていたんだな。
バキュームカーのタンクには、ホースが2重巻きになっている。
しばらく走ると、あろうことがそのホースがタンクからズレてきた。
そして見る見るホースがはずれてバキュームカーから引きずられていくではないか……
さらに前を見るとバス停が……
バス停には、真っ白なスーツに身を包んだ20歳代前半の女性(かなりの美人)が、バスを待っていた。
と……
バキュームカーが、バス停を通り過ぎたその瞬間、ホースがタンクからはずれたのだよ。
すると、どうなるかわかるかね?
次の瞬間に、タンクの内容物が、外にぶちまけられるのだよ。
外にいるのは、真っ白なスーツを着たキレイなおねいさん……
オレは生まれてはじめてみた……
糞尿を全身に浴びてボーゼンとする美女の姿を……
この世の中、何が起こるかわからない。
ゆめゆめご油断することなかれ……