福島の原発事故以来、「なんでも放射能のせいにする」という人がたくさん出てきたように思う。
無理もないかなとも思う一面、ちょっと病的かなと思う人もいる。
いや……、ぶっちゃけて言っちゃうと、パニックにまでなっている人は、元々精神的に不安定な人が多いのだ。
精神的に不安定、つまり精神的なバランスをとることが苦手な人は、どうしてもオール・オア・ナッシング思考、つまり「すべてかゼロか」という片寄った思考や思想に陥りやすい。
デマも信じやすいし、自分にも他人にも不信感が強い傾向がある。
さて、放射能である。2011年11月22日に次のような記事が朝日新聞に載った。
昨年6月に放射能を恐れて、東京から沖縄に引っ越した人たちの話しだ。
ちょっと気になるところもあるので引用する。
妻と子ども、弟夫婦の5人で九州に逃れた。原発がない場所を求め、縁もゆかりもない沖縄へ。ようやくマスクを外すことができた。
「安心して買い物できる環境を」と7月に食品の放射線測定会社を設立したが、まだ軌道に乗らず、貯金を切り崩す生活が続く。
この人たちは事故の後、数ヶ月間、九州に行ってもマスクが外せなかったのだ。
さらにこういう記事もある。生活も不安定そうだ。
弟の丹さん(33)も会社を辞めて一緒に沖縄に来た。「僕は東京で被曝(ひばく)したので、10年もすれば病気になる」と真剣に話す。
すでに 被爆したと思いやがて病気になると思ってる。
事故直後、もうすぐ2歳になる息子と避難。2人とも頻繁に発熱するなど、体調を崩したという。
この人の場合、事故直後に体調を崩したそうだが、どうやらその原因は放射能だと信じているふしがある。
いまも被害の拡大が不安で仕方がない。「インターネットの情報だと、首都圏でも体調を崩す人が増えている。このままでは大変なことになる」。講演やデモなどに力を入れ、「低線量被曝者の会」も設立した。
情報源はインターネット。
つまりあまり信憑性がない情報源ということだ。
同じ会の共同代表、●●●●さん(44)は「体がだるい」と、座っているのもつらい様子。体調に異変を感じ、仕事を辞めて沖縄に来たのは7月だ。
元々、甲状腺に疾患がある。原発事故後、放射能を恐れて家から出ないようにしていたが、鼻血や下痢などの症状が出たという。ネットで検索して自分は「低線量被曝者」だと確信したが、「8軒の医者を回っても鼻で笑われた」
この人の場合、自分の病気をネットにより自己診断し、8人の医者のいうことは信用していない。
この人たちをとやかく言う気はないが、いささか「?」なところもあり、放射能のせいというより、風評被害者であり、またうつ病的・神経症的であるのかな?というのが、ぼくの個人的な意見だ。
あまりに追い詰められすぎていて、かわいそうな気がする。
それに対して、一方こんな意見もある。
Open ブログ さんのご意見。
◆ 放射線パニック
「放射線は危険だ」と騒ぐ人々(いわゆる危険厨)が、世間に増えている。「北海道や沖縄に逃げよう」と。しかし北海道や沖縄に逃げれば、かえって死亡率は上がる。
さっきの方々とまったく違う意見だ。
一方、移住した場合には、別の危険に直面する。それは「インフルエンザ」だ。インフルエンザの患者数を見ると、北海道と沖縄が突出して高い。他県の何倍にもなる。(現時点で)
→ 都道府県別インフルエンザ感染者数
http://openblog.meblog.biz/image/20influenza.html
実は、子供の死亡の原因で一番多いのは、インフルエンザだろう。(交通事故を除けば。)
例年、季節性インフルエンザによる子供の死者は数十人程度と言われる。未成年者の数が 1200万人 ぐらいだが、ともあれ毎年、数十人が死んでいる。
一方、放射線による死者は、ゼロ同然だ。(たとえ癌が発生して、チェルノブイリネックレスという傷跡ができても、死ぬことはない。) というわけで、インフルエンザは放射線に比べて、ずっと危険度が高い。
だから、「放射線が怖い」と思って、北海道や沖縄に移住すると、そこでインフルエンザにかかる可能性がずっと高まるし、死亡率もずっと高まりそうだ。(現時点で)
放射能のことはよくわからない。
何が正しいのかもよくわからない。
そして10年後20年後のこともわからない。
わからないから不安なのであろう。
原発パニックはまだまだ終わりそうにない。
巨椋修(おぐらおさむ)