打ち上げが終わり、オレたちは予約していたビジネスホテルに入った。
それぞれがツインの部屋を予約しているとのことであった。
オレは世志男監督と同室とのこと。
フロントで鍵をもらい世志男監督と部屋に入る。
え?
オレと世志男監督は、部屋を間違えたかと思った。
そこはダブルベッドの部屋だったのだ!!
オレたちは何かの間違いだろうと思い、フロントに問い合わせたところ、そういう予約になっているらしい。
ツインの部屋に変えてもらおうと思ったら、他に部屋はないそうだ。
仕方なく男同士同じベッドに寝た。
我々がアブナイ関係になったかどうかは読者諸君の想像におまかせするとしよう。
しかし、長い人生で男と同じベッドに寝たのは初めての経験であった。
翌日、我々は富山を発った。
帰りの車中は、行きと同様に遠足状態である。
ハイウエイの休憩中に、「いかにカッコよくリモコンキーで鍵を開けるか」という競争をしたり(各自がそれぞれ、自分がカッコいいと思っているポーズでキーを開けるのだ)したね。(笑)
また、傑作だったのが、途中で「創作エロ小説しりとり」を、車中で荒木憲司監督、世志男監督、渡邊世紀監督がやりだしたのだ。
だいたいこんな感じで……
荒木「ミツコは、そのたくましい肉棒を思わず見つめてしまうのであった……」
世志男「た……、からだね。タナカはミツコにその肉棒をミツコに見せ付けるとこういった『すごいだろう……』」
渡邊「「うッ……うそォッ」ミツコは思わず叫ぶ、次は「ぶ」からだよ」
と……、実はもっと猥雑な言葉を織り交ぜながらエンエンと続くのである。
聞いていて、あまりの面白さに腹がよじれるかと思ったよ!(笑)
さすがは作家集団! 映画監督集団である!
他にも車中の話題になったのはいくつもある。
ここですべてを紹介できないのはつらいが、あまりにもおもしろかったのでヒミツにしておこう。
我々はこのようなバカ話を続けながら東京に帰っていったのである。
我々の旅は、まだまだ終わりそうにない。
そう、旅はまだはじまったばかりなのだ。
(新・富山奇行 完)